ミラノ・スカラ座の『真夏の夜の夢』と公式フランチャコルタのベラヴィスタ [イタリア旅行記]
世界最高のオペラ座のひとつ、ミラノ・スカラ座は、旧市街ドゥオーモの近くガレリアを通り抜けると、そこで僕たちを待っている。
スカラ広場はちょっとした公園になっていて、日中にはくつろぐ人々も。
スカラ広場の中央には、レオナルド・ダ・ヴィンチ像がそびえていて、スカラ座を見つめている。
ここが、憧れのスカラ座。
このオペラ座でオペラやバレエを観賞するために、あらかじめ日本からネット経由でチケットを手配して行った。 http://www.teatroallascala.org/en/index.html スカラ座は親切で、ネットでチケットを買うと、わざわざ日本までチケットを郵送してくれる。(たいていのオペラ座は、バウチャーをプリントアウトして現地のボックスオフィスへ持って行って、そこでチケットと交換するケースが多い)
スカラ座のPlatea(プラテア)というのは平土間のことで、いわゆるアリーナ。ウィーン国立歌劇場では、Parket(パーケット)などと呼ばれている。チケットはちょっと高いけれど、やっぱりオペラやバレエは目の前で感じたいので、プラテアの中央F列(6列目)のチケットをゲットした。その他、別な日程でオペラも。
最初に観に行った演目は、メンデルスゾーン作曲のバレエ『真夏の夜の夢』。まさに、ミラノの夏の夜にふさわしい演目。
次第に陽が落ちてきて、スーツやドレス姿の人が増えてくる。スカラ座の開演は、午後8時とちょっと遅め。しかし、時間ピッタリにはじまる。
馬蹄形型の劇場は、とてもゴージャスな感じがする。
この舞台で、これから楽しくも美しい夜がスタートするのだと思うと、ワクワクする。
スカラ座の各シートには、液晶モニタがついている。これは、オペラの時に活躍をするのだけれど、イタリア語や英語の字幕を表示させることができる、とても親切なもの。視点をあまり動かさなくていいので、見やすい。
こんな感じで、日本人にはありがたい。
バレエ『真夏の夜の夢』(Sogno di una notte di mezza estate)は、メンデルスゾーン作曲で、結婚行進曲が最も有名だけれど、全編、豪華で楽しげなメロディに彩られていて、バレエも素晴らしく楽しい。あらすじを Wikipedia から引用すると、
アテネの街と近郊の森が舞台となる。2組の貴族の男女:ハーミア、ライサンダー、ヘレナ、ディミートリアス、織工のボトム、妖精の王オーベロン、女王タイターニア、パックが主な登場人物である。人間の男女は結婚に関する問題を抱えており、妖精の王と女王は養子を巡りけんかをしている。しかし、オーベロンの画策やパックの活躍によって最終的には円満な結末を迎える。
当日の舞台のスタッフやキャストは、以下の通り。
Coreografia: George Balanchine
Musica: Felix Mendelssohn-Bartholdy
Scene e costumi: Luisa Spinatelli
Corpo di Ballo di Teatro alla Scala, Direttore Makhar Vaziev
Etoiles: Roberto Bolle, Massimo Murru, Polina Semionova
Orchestra dell’Academia del Teatro Alla Scala, Dittore David Garforth
Coro dell’Accademia del Teatro alla Scala, Dittore Alfonso Caiani
とにかくエトワールがすごいので、チケットの入手は困難を極めたけれど、本当に観られてよかったと思う。演出は DVD で発売されているものと同じだけれど、やはり本物の劇場は臨場感が全く違う。響きも違う。
女王の優美さや、空を舞うような軽やかさ・・・
王の威厳と力強さ、そしてエレガントさ・・・
恋人達の感情表現が豊か・・・
パックの運動能力が高て、すばしっこく、コミカルで、跳躍も素晴らしい・・・
・・・素晴らしい舞台を前にすると、自然と涙が流れる。
さて、幕間は、シャンパンタイム!なのだけれど、ここはスカラ座。イタリア。ロンバルディア州。といえば、地元のスプマンテはフランチャコルタということになる。
4Fにあがっていくと、大広間があり、そこで幕間のフランチャコルタを楽しみながら、今日の舞台について語り合う。
スカラ座では、あのフランチャコルタが、大きくディスプレイされていた。拡大すると、、、
そう、Bellavista(ベラヴィスタ)の Cuvée Brut(キュヴェ・ブリュット)というフランチャコルタが、スカラ座の公式スパークリングということになる。他にも、用意があるけれど、やはりこれを楽しまなくては。
左手にキャッシャーがあり、そこでチケットを買い、カウンターで渡すとワインや飲み物をサーブしてもらえる。
Cuvée Brut については、色々な人が書いているので割愛するけれど、とても清涼感のあるスプマンテ。しかし、ちょうど5月の大型連休にエノテカでこれの上級キュヴェである Bellavista Franciacorta Riserva “Vittorio Moretti” 2002(ベラヴィスタ・フランチャコルタ・リゼルヴァ “ヴィットリオ・モレッティ”)を幸運にもテイスティングする機会に恵まれたので、僕のテイスティング時のノートから抜き出してみると、、、
色は濃いめの黄色で、きめ細かな気泡が永続的に流れている。粘性は少し強め。焼き林檎や洋梨のコンポートの豊かな果実の香りと、ハーブの香り、ブリオッシュやトーストの香ばしい香りが広がる。アタックははつらつとしており、酸とミネラルがしっかりとしていて、骨格がはっきりしている。切れが良いが、余韻は10秒以上、じんわりと長く続く。
ヴィットリオ・モレッティというのは、ベラヴィスタのオーナーの名前。パッケージを見る限りにおいては、2004年にスカラ座が再開された時の晩餐会でふるまわれた、特別な Franciacorta Cuvée Sigillo Teatro alla Scala 2000 と同じように見える。いずれにしても、スカラ座とは縁の深いフランチャコルタということになる。
こんな感じで、幕間はちょっとした社交場。ヨーロッパ中から集まった常連さんも、いっぱいいるようだ。
とても素晴らしかったパック。
そして、大団円。
スカラ座がひけた後は、もう午後10時をまわっているのだけれど、皆、その感動を胸に、街のリストランテへと散っていった。
僕たちは、その1ヶ月後に、再びこのスカラ座でオペラを観ることになるのだけれど、それについては、またいずれ。
YUTAKAさん、100万ヒット達成に関しては、Excelまで利用しての推測、
ありがとうございました。コメントもありがとうございました♪
fumikoブログも次なるステップに向けて頑張りま~す。
公式スパークリングは、やっぱりフランチャコルタになりますよね。
素敵なシーンです。
by fumiko (2010-05-08 09:25)
fumiko さん、nice! &コメントをありがとうございます。
やっと復帰いたしました。ご心配をおかけしました。
明日の青木先生の講座も楽しみにしております。
(1週間前だったら、出席できないところでした…)
スカラ座は、何度行っても素晴らしいなと思います。
日本の歌舞伎座も、こういう形でリニューアルされることを
心から祈っています。
artfuldodger さん、nice!をありがとうございます。
hogehoge さん、nice!をありがとうございます。
REI さん、nice!をありがとうございます。
レオさん、nice!をありがとうございます。
by YUTAKA (2010-06-29 21:34)