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ワールドカップ [雑記]

その日、いつものように埼玉スタジアム2002へ向かったら、目の前に、あのトロフィーがあった。

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ワールドカップ。月の石よりも価値があると言われることもある、世界にただ一つのトロフィー。ちょうど、世界を巡っている途中で、偶然、実物を目にすることができた。

2ヶ月前は、そんなに大きな関心を払わなかったのだけれど、今は、たぶん皆さんと同じようにこのトロフィーに熱中している自分がある。

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スタジアムへ向かう道のりは、とてもワクワクとしたものだ。

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通路の先で、今日のマッチが待っている。

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ポンテ選手が蹴ろうとしているボールは、まさにジャブラニ。Jリーグでは、今期から正式に採用されている。

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阿部選手はボランチとして活躍しているけれど、もうこのスタジアムには戻ってこないかもしれないなと思うと、ちょっと感傷的な気持ちになってしまう。

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スタジアムの上空に、綺麗な月が出ていた。

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小野選手も、今はライバル。

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熱心なサポーターが、90分間途切れることなく応援を続ける。パートナーや僕もサポーターだけれど、特にパートナーは、1993年のJリーグ発足当初からの浦和レッズの長年のサポーター。最弱チームと言われていた頃も、根気よく地元の浦和を応援し続けてきた。

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熱気にあふれるサポーター席。

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大きなスタジアムが、感動を包み込む。

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スタジアムの向こうに、日が暮れていく。

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夕暮れに沈む埼玉スタジアム2002。8年前、ここでワールドカップの熱戦が繰り広げられた。今は、浦和レッズのホームスタジアムだから、毎週のように通う。

§

twitter にはまったり、iPhone や iPad に熱中したり、仕事が忙しくなったり、山小屋に行ったり、体を壊したりして(3週間ほどワインが飲めない状態に…)、blog を更新することができなかったのですが、少しずつ復帰します。やっとワインを飲みたいと思う程度に回復してきました。ご心配をおかけしました。

さて、明日は日本の決勝トーナメント第一戦。全員で作り上げるチームの健闘を祈ります。


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ミラノ・スカラ座の『真夏の夜の夢』と公式フランチャコルタのベラヴィスタ [イタリア旅行記]

世界最高のオペラ座のひとつ、ミラノ・スカラ座は、旧市街ドゥオーモの近くガレリアを通り抜けると、そこで僕たちを待っている。

スカラ座広場のプレート

スカラ広場はちょっとした公園になっていて、日中にはくつろぐ人々も。

スカラ座広場

スカラ広場の中央には、レオナルド・ダ・ヴィンチ像がそびえていて、スカラ座を見つめている。

レオナルド・ダ・ヴィンチ像

ここが、憧れのスカラ座。

ミラノ・スカラ座

このオペラ座でオペラやバレエを観賞するために、あらかじめ日本からネット経由でチケットを手配して行った。 http://www.teatroallascala.org/en/index.html スカラ座は親切で、ネットでチケットを買うと、わざわざ日本までチケットを郵送してくれる。(たいていのオペラ座は、バウチャーをプリントアウトして現地のボックスオフィスへ持って行って、そこでチケットと交換するケースが多い)

スカラ座のチケット4枚

スカラ座のPlatea(プラテア)というのは平土間のことで、いわゆるアリーナ。ウィーン国立歌劇場では、Parket(パーケット)などと呼ばれている。チケットはちょっと高いけれど、やっぱりオペラやバレエは目の前で感じたいので、プラテアの中央F列(6列目)のチケットをゲットした。その他、別な日程でオペラも。

最初に観に行った演目は、メンデルスゾーン作曲のバレエ『真夏の夜の夢』。まさに、ミラノの夏の夜にふさわしい演目。

夜のスカラ座

次第に陽が落ちてきて、スーツやドレス姿の人が増えてくる。スカラ座の開演は、午後8時とちょっと遅め。しかし、時間ピッタリにはじまる。

スカラ座のバルコニー席

馬蹄形型の劇場は、とてもゴージャスな感じがする。

スカラ座のステージ方向

この舞台で、これから楽しくも美しい夜がスタートするのだと思うと、ワクワクする。

開演前の劇場

スカラ座の各シートには、液晶モニタがついている。これは、オペラの時に活躍をするのだけれど、イタリア語や英語の字幕を表示させることができる、とても親切なもの。視点をあまり動かさなくていいので、見やすい。

親切なディスプレイ

こんな感じで、日本人にはありがたい。

エトワールたち

バレエ『真夏の夜の夢』(Sogno di una notte di mezza estate)は、メンデルスゾーン作曲で、結婚行進曲が最も有名だけれど、全編、豪華で楽しげなメロディに彩られていて、バレエも素晴らしく楽しい。あらすじを Wikipedia から引用すると、

アテネの街と近郊の森が舞台となる。2組の貴族の男女:ハーミア、ライサンダー、ヘレナ、ディミートリアス、織工のボトム、妖精の王オーベロン、女王タイターニア、パックが主な登場人物である。人間の男女は結婚に関する問題を抱えており、妖精の王と女王は養子を巡りけんかをしている。しかし、オーベロンの画策やパックの活躍によって最終的には円満な結末を迎える。

当日の舞台のスタッフやキャストは、以下の通り。

Coreografia: George Balanchine
Musica: Felix Mendelssohn-Bartholdy
Scene e costumi: Luisa Spinatelli
Corpo di Ballo di Teatro alla Scala, Direttore Makhar Vaziev
Etoiles: Roberto Bolle, Massimo Murru, Polina Semionova
Orchestra dell’Academia del Teatro Alla Scala, Dittore David Garforth
Coro dell’Accademia del Teatro alla Scala, Dittore Alfonso Caiani

とにかくエトワールがすごいので、チケットの入手は困難を極めたけれど、本当に観られてよかったと思う。演出は DVD で発売されているものと同じだけれど、やはり本物の劇場は臨場感が全く違う。響きも違う。

女王の優美さや、空を舞うような軽やかさ・・・

王の威厳と力強さ、そしてエレガントさ・・・

恋人達の感情表現が豊か・・・

パックの運動能力が高て、すばしっこく、コミカルで、跳躍も素晴らしい・・・

・・・素晴らしい舞台を前にすると、自然と涙が流れる。

さて、幕間は、シャンパンタイム!なのだけれど、ここはスカラ座。イタリア。ロンバルディア州。といえば、地元のスプマンテはフランチャコルタということになる。

4Fにあがっていくと、大広間があり、そこで幕間のフランチャコルタを楽しみながら、今日の舞台について語り合う。

スカラ座の公式フランチャコルタ

スカラ座では、あのフランチャコルタが、大きくディスプレイされていた。拡大すると、、、

スカラ座はベラヴィスタ

そう、Bellavista(ベラヴィスタ)の Cuvée Brut(キュヴェ・ブリュット)というフランチャコルタが、スカラ座の公式スパークリングということになる。他にも、用意があるけれど、やはりこれを楽しまなくては。

左手にキャッシャーがあり、そこでチケットを買い、カウンターで渡すとワインや飲み物をサーブしてもらえる。

Cuvée Brut については、色々な人が書いているので割愛するけれど、とても清涼感のあるスプマンテ。しかし、ちょうど5月の大型連休にエノテカでこれの上級キュヴェである Bellavista Franciacorta Riserva “Vittorio Moretti” 2002(ベラヴィスタ・フランチャコルタ・リゼルヴァ “ヴィットリオ・モレッティ”)を幸運にもテイスティングする機会に恵まれたので、僕のテイスティング時のノートから抜き出してみると、、、

色は濃いめの黄色で、きめ細かな気泡が永続的に流れている。粘性は少し強め。焼き林檎や洋梨のコンポートの豊かな果実の香りと、ハーブの香り、ブリオッシュやトーストの香ばしい香りが広がる。アタックははつらつとしており、酸とミネラルがしっかりとしていて、骨格がはっきりしている。切れが良いが、余韻は10秒以上、じんわりと長く続く。

ヴィットリオ・モレッティというのは、ベラヴィスタのオーナーの名前。パッケージを見る限りにおいては、2004年にスカラ座が再開された時の晩餐会でふるまわれた、特別な Franciacorta Cuvée Sigillo Teatro alla Scala 2000 と同じように見える。いずれにしても、スカラ座とは縁の深いフランチャコルタということになる。

幕間のホールにて

こんな感じで、幕間はちょっとした社交場。ヨーロッパ中から集まった常連さんも、いっぱいいるようだ。

パックも好演

とても素晴らしかったパック。

ステージは大成功

そして、大団円。

スカラ座がひけた後は、もう午後10時をまわっているのだけれど、皆、その感動を胸に、街のリストランテへと散っていった。

僕たちは、その1ヶ月後に、再びこのスカラ座でオペラを観ることになるのだけれど、それについては、またいずれ。


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オープンカレッジ品種別講座(世界のリースリングと熱劣化ワイン) [ワイン]

青木冨美子先生の、昭和女子大学オープンカレッジの品種別講座の今回のテーマは、世界のリースリングだった。

リースリングといえば、僕はドイツとアルザスくらいしか知らないけれど、和食との相性や健康志向との兼ね合いもあるのか、今や世界中で生産がされているらしい。しかも、辛口が主流。ドイツなら Trocken(トロッケン)や Classic、Selection、あるいはモーゼルの Riesling S ということになるだろうか。

今回のラインナップは、次のようなワイン達だった。

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なかなかにポップで楽しいエチケットが多いのがおもしろい。上段の3本は第1フライトで新世界(ワシントン州、チリ、オーストラリア)、中段の3本は第2フライトで旧世界のリースリング(アルザス、オーストリア、ドイツ)。下段の1本は、実はスペインのリアス・バイシャスのアルバリーニョだった。確かに、どのワインも和食によく合いそう。

例によって、グラスの写真を並べてみると・・・

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意外や意外、新世界の方が色が淡く、旧世界の方がイエローのトーンがしっかりしていた。ジャンシス・ロビンソン女史が、最近の新世界は健康志向に合わせてアルコール度数を控えめにして、ライトに作っている生産者が増えていると言っていたけれど、その関係だろうか。確かに、爽やかでかんきつ系や白い花のエレガントな香りのリースリングが多かった。ペトロール香と呼ばれる鉱物的な香りが含まれるものもあったし、そうでないものもあって興味深い。

僕の好みは、アルザスの Léon Beyer(レオン・ベイエ)の Cuvée des Comtes d'Eguisheim 2003(コント・デギスハイム)だった。これは白い花やオシロイのようなフローラルな香りと、鉱物的な香り、蜂蜜の香りが複雑に絡み合っていて、柔らかいアタックと酸がしっかり目でミネラルが凝縮しており、辛口でバランスがよいと感じた。熟成による良さが出ている。Nikolaihof のスマラクト(エメラルド色のトカゲ)も良かった。名前が好きなのだけれど。

§

さて、第3フライトは、熱劣化したワインの比較テイスティングだった。熱劣化と言っても、様々なケースがあるので一口に言えない。今回は、我が家で起こった停電によるセラールームの災害に遭遇した Didier Dagueneau の Blanc Fumé de Pouilly Buisson Renard 2004 をサンプルに持ち込んで、先生の用意した正常な Dagueneau との比較をしていただいた。

この災害というのは、2006/8/14 の東京大停電の時に、セラーを5台設置してある約10畳の部屋(部屋全体も空調がかかっている)の電源が切れ、外気温35度という条件と、セラーは数時間で復帰したもののエアコンは復帰せず、そのためセラーの大量の排気熱によってセラーに入っていない部屋中のワインがダメージを受けたというもの。ちょうどお盆休みでワインの入れ替えを行っている最中で、ヴォギュエのグラン・クリュやプリューレ・ロック、J.L.シャーヴのエルミタージュ、エドアルド・ヴァレンティーニのモンテプルチアーノ・ダブルッツォ、ジャック・セロス、ドニ・モルテ、そしてデディエ・ダギュノーのシレックスなどのそうそうたるワイン達60本余りが被害にあった。悲しい思い出だ。ほとんどのワインは、悔しくて飲んでしまったのだけれど、僅かに残っているその中の1本を持ち込んだ。

しかし、これは意外に難しい比較だということに、後になって気がついた。なぜならば、あらかじめ、講座生にはソーヴィニヨン・ブランの比較であるということが提示されて、どちらが美味しいかを投票してもらったのだけれど、このソーヴィニヨン・ブランという先入観と、自然派でありアンファン・テリブル(恐るべき子供)と呼ばれる Didier Dagueneau の独特の風味とのギャップが、少し紛らわしかったような気がするからだ。

その時のテイスティングノートでは、熱劣化をした方には典型的なグレープフルーツやかんきつ類の爽やかな香りがあると書いてある。一方、正常な方は、香りが閉じており、甘いフローラルな香りで、蜂蜜の香りや熟成香がすると書いてある。うーむ。正直に言って、授業では正常な判断ができなかったと思う。これは、僕の不徳の致す限り。

宿題ということで、僕は、2本のボトルを持ち帰って、自宅で再試験を行うことにした。

Didier Dagueneau の Blanc Fumé de Pouilly Buisson Renard 2004

その結果、気がついたのは、空気接触と供出温度のことだった。Dagueneau のワインは、自然派のつくりで、シャンパーニュのジャック・セロスやイタリアのエドアルド・ヴァレンティーニに通じるものがある。これはグラン・クリュの白などと同じで、できればデキャンタージュをして、また冷やしすぎない方が美味しい。さらにデキャンタージュしても、なかなか開かず、抜栓した翌日や翌々日にやっと開いてくるというケースも稀ではない。

そこで翌日、パートナーと共同で、シャンブレの温度下で再度テイスティングをした。その結果、熱劣化をした方(フレッシュさを感じられた方)は既に香りが飛んでいて(落ちていて)、ワインとして飲める状態にはないことに気がついた。我が家では、熱劣化したワインは落ちるのが早い(もしくは最初から落ちている)、あるいは水っぽいという認識があるのだけれど、その予想通りの内容。しかし正常な方は、ミントやローズマリーなどの爽やかなハーブの香りとともに、芳醇な蜂蜜の香り、アカシアの香り、湿った草地、麦わらの香りなどが満ちていて、もちろん味わいもしっかりとしたものに変化をしていた。ヴァレンティーニのトレッビアーノ・ダブルッツォや熟成したブルゴーニュの白を味わった時と似た印象を持った。もちろん、美味しいし、やっと開いたという感じがする。そして、まだまだポテンシャルを秘めているように感じた。

Didier Dagueneau の Blanc Fumé de Pouilly Buisson Renard 2004

サンプルとして用意した Didier Dagueneau が適切でないことは明らかだったけれど、やはり、熱劣化によってワイン本来の生命力のようなものが大幅にそがれることが分かった気がする。

そして、Dagueneau や Edoardo Valentini のような偉大な作り手のワインは、「待つ」ことが必要で、セラーから取り出して抜栓してすぐ飲めるわけではない場合があることを、思い知った気がする。分かったつもりになっていたのだけれど、いざとなると忘れてしまっていた。

以上が、熱劣化ワインに関する顛末記。昨今は、インポーターさんたちの努力によって、このような悲劇はかなり少なくなってきていると思うけれど、やはりワインは生き物。本来の命を生かすも殺すも、管理次第なのだなと、改めて思った。そして、そのサーヴについてもワインによって色々なケースがあるということも。

青木先生、僕のために用意してもらったような内容で恐縮でしたが、貴重な機会を設けていただき、ありがとうございました。

また、ここのところ忙しくて、ブログの個別訪問やコメントなどが遅れていて申し訳ありません。順次、再開をしていきますので、今後とも、よろしくお願いします。

最後に、2006/4/29 日に亡くなった Edoardo Valentini 氏、および 2008/9/17 に亡くなった Didier Dagueneau 氏の両氏に、この場をお借りして、改めて哀悼の意を表させていただきます。


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風が強く吹いている [映画]

僕は小学校4年生から高校3年生までの約9年間、陸上部にいた。その間、ほぼ毎日2時間を、走ることに費やしていた。いや、小学校時代は往復8kmの山道を徒歩で通学していたし、高校時代は往復20kmのこれまた山道を自転車で通学していたから、歩いたり走ったりした距離は、もっと多いのかもしれない。

とにかく走ることが好きだった。走ることは、孤独で美しいというほどの境地には達しなかったけれど、走ることで自分を解放できるような気がしていた。もちろん、負けず嫌いな性格もあったのだけれど。今よりも、もっと何かを悟っていたような気がする。

陸上部ではスプリンター(短距離)とロングジャンプをやっていたけれど、当然、他の競技もやる。自由な部活だったからマラソンやクロスカントリーをはじめ、フィールドアスレチック、サッカーやバスケットボール、ハンドボール、水泳、ウェイトリフティングなども織り交ぜてやっていた。サッカー県に育ったから、特にサッカーはよくやったかもしれない。

そして、親友も、小学校から高校までずっと陸上部で一緒だった。

だからというわけでもないけれど、駅伝をテーマにした映画『風が強く吹いている』には強く引き込まれた。

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© 「風が強く吹いている」製作委員会

走っているときは孤独だし、風の音だけが聞こえて、風景を楽しむという余裕は当時の僕にはなかったけれど、その孤独や自分との戦いと、仲間へたすきをつなぐという連帯感の両方を兼ね備えているのが駅伝の良さなのだと気がついた。仲間と、たすきでつながっていること、これは重要ですね。若さからくるひたむきさも素晴らしい。

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© 「風が強く吹いている」製作委員会

そして、「速く」ではなく「強く」あること。

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© 「風が強く吹いている」製作委員会

「走るってどういうことなんだ?」という問いが、やがて生きるって何なんだという問いにもつながっていく。

小説『長距離走者の孤独』もそうだけれど、走るって、人生につながっているんだなと、つくづく感じる。そして、この映画からは、仲間っていいものだな、ということも。

なによりも深刻にならずに、笑って楽しめる娯楽作品に仕上がっているところがいい。

先週末からレンタルが開始されたので、興味のある方はぜひ!それにしても、劇場公開時にもあまり宣伝をやらなかったけれど、こんなにいい作品なのに不思議です。

『風が強く吹いている』公式サイト
http://www.kaze-movie.com/


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クリス・ボッティ(Chris Botti)ジャパンツアー2010@東京芸術劇場 [音楽]

僕の好きな Jazz Trumpeter にクリス・ボッティ(Chris Botti)がいる。「Smooth Jazz の貴公子」とも「キング・オブ・スムースジャズ」とも呼ばれているけれど、彼の知的で崇高なまでの演奏とバンドメンバーとの息のあったエンターテイメント性の高さには、何年も魅了されてきた。

今回の主催のサモンプロモーションにあるバイオグラフィーには、以下のように書かれている。

2004年のアルバム『When I Fall In Love』で、ジャズ部門における全米最高売上を記録。幅広いファン層から支持され、ジャズ部門でのチャート1位を4回達成。グラミー賞他数々の賞を受賞。ワールド・シリーズやノーベル平和賞授賞式にも出演した。年間250日を越えるツアーをこなし、30年にも及ぶプロ生活の間には世界中のオーケストラ、またフランク・シナトラ、スティング、ジョシュ・グローバン、ポール・サイモン、アンドレア・ボチェッリ、スティーブン・タイラー(エアロスミス)など一流アーティストとも共演。 2004年の「People(ピープル)誌」では「世界で最も美しい50人」にも選出されている。

前回の来日は2年前のブルーノート東京だったけれど、世界中をライブで回っているという彼の演奏は、やはりライブで聴きたい。

Chris Botti
LIVE IN BOSTON より

正直に書けば、僕は、大切なひとを傷つけてきたことや、自分の汚れた心を悔やむ気持ちで頭がいっぱいで、ライブに行ける状態ではなかった。こんな気持ちで、クリスのライブを楽しめるのだろうか、と。でも、生まれて初めて、「お一人様」でコンサートに行くことにした。自分の孤独と向き合うように。

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2010/04/03 開演前の東京芸術劇場大ホール

半年前に取ったチケットは、前から4列目の中央寄りで、クリス・ボッティは目の前だった。Jazz をコンサートホールで聴くのは初めてだけれど、彼のライブの代表作 “LIVE IN BOSTON” のように、クロスオーバーに近い性格を考えると、それもありなのかもしれない。会場の大半は女性で、若い人から年配の方まで、様々だった。また年配の夫婦も、よく目にした。東京芸術劇場の大ホールは、3階まで満席だった。

隣の空席を気にしないよう、僕は、ノンストップ2時間のライブに集中することにした。

開口一番、「今日は日本の皆さんにも分かりやすいように、ゆっくりしゃべります(笑)」と言って、会場を笑わせリラックスさせていたクリス・ボッティ。

1曲目は、Ave Maria(アヴェ・マリア)。祈りにも似た彼らしい荘厳でどこかもの悲しい演奏からはじまる。どんどん演奏に引き込まれ、心が洗われていくのが分かる。すごい。

まだ、どこにも情報がないので、僕が知っている&覚えている限りだけれど、演奏された曲目は以下の通り。

1.Ave Maria
2.When I Fall In Love
3.Caruso
4.Flamenco Sketches
5.Emmanuel? (feat. Chee-Yun)
6.The Look of Love (feat. Sy Smith)
7.The Very Thought Of You (feat. Sy Smith)
8.Good Morning Heartache (feat. Sy Smith)
9.My Funny Valentine
10.A Thousand Kisses Deep
11.Cinema Paradiso (feat. Chee-Yun)

スタッフによれば、いずれサモンプロモーションのホームページでセットリストを公開するそうなので、その時に、修正を入れます。5曲目が自信がない。

今回のコンサートは、いつもの4人にプラスして、ヴォーカルやヴァイオリンなど多彩なゲストも魅力だった。

Chris Botti クリス・ボッティ (Trumpet)
Billy Childs ビリー・チャイルズ (Piano)
Billy Kilson ビリー・キルソン (Drums)
Mark Whitfield マーク・ホイットフィールド (E-Guitar)
Tim Lefebvre ティム・ルフェーヴル (Bass)
Andy Ezrin アンディー・エズリン (Keyboard)
Chee-Yun チー・ユン (Violin)
Sy Smith サイ・スミス (Vocal)

バンドメンバーとの息のあった演奏は、When I Fall In Love などの見事なインプロビゼーションにも現れていた。ゲストとの絡みも完璧。Sy Smith の歌うソウルフルな “The Look Of Love” には、ノックアウトされた。

スタンディング・オベーションの後に、Cinema Paradiso が演奏された。僕も大好きなこの映画のテーマは、心に染み入った。Chee-Yun のなめらかで叙情的なヴァイオリンとともに、Chris Botti の優しくも崇高なトランペットが寄り添う。

自然に涙があふれた。音楽は、魂の浄化をしてくれる、そんな体験をしたような気がする。トークも楽しいし、エンターテイメントとしても抜群で、とても盛り上がった。けれど、やはり彼の Flamenco Sketches に現れているような、透明感のある孤高の演奏が心に響いた。

終了後、ロビーでサイン会があったので、僕も参加してきた。とても大勢の人々にびっくりしたけれど!ロビーには Chris Botti の他、僕の好きなギターの Mark Whitfield や、Sy Smith もいた。

感極まって、クリスにはあまりいっぱい話しかけられなかったけれど、彼は気さくに握手をしてくれた。崇高な魂に触れたような気がした。他の女性ファンは、ハグもしてもらっていたようだ。彼の人柄が感じられる。

Mark Whitfield は、演奏も素晴らしいけれどライブのムードメーカーでもあって、僕は好きだ。彼に話しかけると、「いいブーツ履いているね!」と僕の赤いブーツを褒めてくれた。この日は、ヴィンテージ・ジーンズに赤いブーツを合わせて行ったのだけれど、やっぱり靴は重要だね。彼は根っからのエンターテイナー。

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CDにサインをしてもらって、家路についた。表紙に Chris Botti、そして中に Mark Whitfield と Sy Smith。

彼のライブは最高だけれど、その片鱗は家でも楽しむことができる。最新のライブ DVD & Blu-ray だ。

Chris Botti in Boston [CD+DVD]
http://www.amazon.co.jp/Chris-Botti-Boston-CD-DVD/dp/B001PXYH6Y/ref=pd_cp_m_0

Chris Botti in Boston [Blu-ray]
http://www.amazon.co.jp/Chris-Botti-Boston-Dig-Blu-ray/dp/B001R60ESE/ref=sr_1_4?ie=UTF8&s=dvd&qid=1270346074&sr=8-4

Blu-ray は、1080p の映像と Dolby TrueHD 7.1ch 96KHz/24bit 収録で、再生環境が整えば最高のライブを追体験できます。

また、彼の最新 CD の "ITALA" はお気に入りで、僕は毎日眠るときに聴いていたりします。

まだ、今日(4/4)は愛知公演、4/6には大阪公演があり、たぶん当日券もあると思うので、興味のある方は、ぜひ!

Chris Botti Official Site
http://www.chrisbotti.com/


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