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ミラノ・スカラ座の『真夏の夜の夢』と公式フランチャコルタのベラヴィスタ [イタリア旅行記]

世界最高のオペラ座のひとつ、ミラノ・スカラ座は、旧市街ドゥオーモの近くガレリアを通り抜けると、そこで僕たちを待っている。

スカラ座広場のプレート

スカラ広場はちょっとした公園になっていて、日中にはくつろぐ人々も。

スカラ座広場

スカラ広場の中央には、レオナルド・ダ・ヴィンチ像がそびえていて、スカラ座を見つめている。

レオナルド・ダ・ヴィンチ像

ここが、憧れのスカラ座。

ミラノ・スカラ座

このオペラ座でオペラやバレエを観賞するために、あらかじめ日本からネット経由でチケットを手配して行った。 http://www.teatroallascala.org/en/index.html スカラ座は親切で、ネットでチケットを買うと、わざわざ日本までチケットを郵送してくれる。(たいていのオペラ座は、バウチャーをプリントアウトして現地のボックスオフィスへ持って行って、そこでチケットと交換するケースが多い)

スカラ座のチケット4枚

スカラ座のPlatea(プラテア)というのは平土間のことで、いわゆるアリーナ。ウィーン国立歌劇場では、Parket(パーケット)などと呼ばれている。チケットはちょっと高いけれど、やっぱりオペラやバレエは目の前で感じたいので、プラテアの中央F列(6列目)のチケットをゲットした。その他、別な日程でオペラも。

最初に観に行った演目は、メンデルスゾーン作曲のバレエ『真夏の夜の夢』。まさに、ミラノの夏の夜にふさわしい演目。

夜のスカラ座

次第に陽が落ちてきて、スーツやドレス姿の人が増えてくる。スカラ座の開演は、午後8時とちょっと遅め。しかし、時間ピッタリにはじまる。

スカラ座のバルコニー席

馬蹄形型の劇場は、とてもゴージャスな感じがする。

スカラ座のステージ方向

この舞台で、これから楽しくも美しい夜がスタートするのだと思うと、ワクワクする。

開演前の劇場

スカラ座の各シートには、液晶モニタがついている。これは、オペラの時に活躍をするのだけれど、イタリア語や英語の字幕を表示させることができる、とても親切なもの。視点をあまり動かさなくていいので、見やすい。

親切なディスプレイ

こんな感じで、日本人にはありがたい。

エトワールたち

バレエ『真夏の夜の夢』(Sogno di una notte di mezza estate)は、メンデルスゾーン作曲で、結婚行進曲が最も有名だけれど、全編、豪華で楽しげなメロディに彩られていて、バレエも素晴らしく楽しい。あらすじを Wikipedia から引用すると、

アテネの街と近郊の森が舞台となる。2組の貴族の男女:ハーミア、ライサンダー、ヘレナ、ディミートリアス、織工のボトム、妖精の王オーベロン、女王タイターニア、パックが主な登場人物である。人間の男女は結婚に関する問題を抱えており、妖精の王と女王は養子を巡りけんかをしている。しかし、オーベロンの画策やパックの活躍によって最終的には円満な結末を迎える。

当日の舞台のスタッフやキャストは、以下の通り。

Coreografia: George Balanchine
Musica: Felix Mendelssohn-Bartholdy
Scene e costumi: Luisa Spinatelli
Corpo di Ballo di Teatro alla Scala, Direttore Makhar Vaziev
Etoiles: Roberto Bolle, Massimo Murru, Polina Semionova
Orchestra dell’Academia del Teatro Alla Scala, Dittore David Garforth
Coro dell’Accademia del Teatro alla Scala, Dittore Alfonso Caiani

とにかくエトワールがすごいので、チケットの入手は困難を極めたけれど、本当に観られてよかったと思う。演出は DVD で発売されているものと同じだけれど、やはり本物の劇場は臨場感が全く違う。響きも違う。

女王の優美さや、空を舞うような軽やかさ・・・

王の威厳と力強さ、そしてエレガントさ・・・

恋人達の感情表現が豊か・・・

パックの運動能力が高て、すばしっこく、コミカルで、跳躍も素晴らしい・・・

・・・素晴らしい舞台を前にすると、自然と涙が流れる。

さて、幕間は、シャンパンタイム!なのだけれど、ここはスカラ座。イタリア。ロンバルディア州。といえば、地元のスプマンテはフランチャコルタということになる。

4Fにあがっていくと、大広間があり、そこで幕間のフランチャコルタを楽しみながら、今日の舞台について語り合う。

スカラ座の公式フランチャコルタ

スカラ座では、あのフランチャコルタが、大きくディスプレイされていた。拡大すると、、、

スカラ座はベラヴィスタ

そう、Bellavista(ベラヴィスタ)の Cuvée Brut(キュヴェ・ブリュット)というフランチャコルタが、スカラ座の公式スパークリングということになる。他にも、用意があるけれど、やはりこれを楽しまなくては。

左手にキャッシャーがあり、そこでチケットを買い、カウンターで渡すとワインや飲み物をサーブしてもらえる。

Cuvée Brut については、色々な人が書いているので割愛するけれど、とても清涼感のあるスプマンテ。しかし、ちょうど5月の大型連休にエノテカでこれの上級キュヴェである Bellavista Franciacorta Riserva “Vittorio Moretti” 2002(ベラヴィスタ・フランチャコルタ・リゼルヴァ “ヴィットリオ・モレッティ”)を幸運にもテイスティングする機会に恵まれたので、僕のテイスティング時のノートから抜き出してみると、、、

色は濃いめの黄色で、きめ細かな気泡が永続的に流れている。粘性は少し強め。焼き林檎や洋梨のコンポートの豊かな果実の香りと、ハーブの香り、ブリオッシュやトーストの香ばしい香りが広がる。アタックははつらつとしており、酸とミネラルがしっかりとしていて、骨格がはっきりしている。切れが良いが、余韻は10秒以上、じんわりと長く続く。

ヴィットリオ・モレッティというのは、ベラヴィスタのオーナーの名前。パッケージを見る限りにおいては、2004年にスカラ座が再開された時の晩餐会でふるまわれた、特別な Franciacorta Cuvée Sigillo Teatro alla Scala 2000 と同じように見える。いずれにしても、スカラ座とは縁の深いフランチャコルタということになる。

幕間のホールにて

こんな感じで、幕間はちょっとした社交場。ヨーロッパ中から集まった常連さんも、いっぱいいるようだ。

パックも好演

とても素晴らしかったパック。

ステージは大成功

そして、大団円。

スカラ座がひけた後は、もう午後10時をまわっているのだけれど、皆、その感動を胸に、街のリストランテへと散っていった。

僕たちは、その1ヶ月後に、再びこのスカラ座でオペラを観ることになるのだけれど、それについては、またいずれ。


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イスキア島の温泉天国(GIARDINI POSEIDON TERME) [イタリア旅行記]

もう春かなと思っていたら、また寒くなってきたので、ちょっと温泉の話を。温泉といっても、イタリアのナポリ湾に浮かぶイスキア島の温泉庭園のことです。

イスキア島は周囲34kmある、ナポリ湾最大の島。周囲ではカプリ島が有名だけれど、イスキア島は火山性の島で、いたるところで温泉がわいている。また、島の北部と西部には砂浜があり、ビーチとしても楽しめる。日本ではあまりメジャーじゃないし、実際現地で日本人にあうこともなかったのだけれど、なかなか楽しいリゾートだ。別名、「緑の島」とも呼ばれているくらい、山には緑が多い。また、土着品種のワインの宝庫としても知られている。カンパーニャにいる時は、Ischia Bianco を飲むことも多かった。

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ナポリのサンタルチアに宿泊している僕たちは、歩いてすぐの PORTO DI NAPOLI(ナポリ港)から、Aliscafo(水中翼船)に乗ってイスキア島に行くことにした。

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ナポリ港からは、イスキア島のほかに、カプリ島やソレントなどへの船が就航している。

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こんな水中翼船で、イスキア島に向かう。片道、29ユーロくらい。

1時間ほど船に揺られると、イスキア島に到着する。着いたらすぐ、バス停のおじちゃんかタバッキでバスのチケットを購入する。

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チケットは4ユーロと格安。

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僕たちは、最大の温泉庭園である GIARDINI POSEIDON TERME(ジャルディーニ・ポセイドン・テルメ)を目指すことにした。ちょうど島の反対側で、バスは2番線を利用、目的地は ISCHIA FORIO CITTARA 方面。バスは海岸線を走るので、景色がいいし、とても気持ちがいい。

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島は、確かに緑が多い。青空と、白い建物と、森の緑。

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ビーチで日光浴を楽しんでいるひとびとも、たくさんいた。

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これが GIARDINI POSEIDON TERME(ポセイドン温泉庭園)の入り口。

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チケットは、入場料23ユーロと、貸しタオル6ユーロ。ちょっと高いと思われるかもしれないけれど、20もある温泉やプライベートビーチで、まる一日遊べると思えば、安いと思う。そのほか、室内プール、泥パックやスチームによるビューティーケアなども用意されており、カフェやレストランもある。

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園内は、南国のように花が咲き乱れている。

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ここが温泉?って思ってしまう。

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海からなだらかな山の斜面を利用した広大な敷地に、POSEIDON TERME はある。

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温泉には色々な種類があるけれど、プールのようなものもある。あ、もちろん、水着着用でスイムキャップも必要です。水着やキャップ、ビーチサンダルなどは売店で購入することも可能。

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温泉につかっては、ゆったりとこのように景色を眺めながら、カクテルでも楽しみ、また温泉につかる。あぁ、極楽♪

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それぞれの温泉には別々の名前がついており、温度なども違っている。また、事前に医師による診断を受けることもでき、それによって入浴可能な風呂(?というには大きいけれど)をアドバイスしてもらうことも可能。

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僕たちが気になったのは、この「日本式温泉」というやつ。どこが?と思うけれど、この温泉はドーナッツ状になっていて、足の部分だけお湯につかるようになっている。その下には、丸石が敷き詰められている。さらに、半周はお湯(40℃)なのだけれど、半周はお水(15℃)なのだ。ぐるりと回りながら、丸石で足のツボを刺激しつつ、温水と冷水に交互につかり、体の血行をよくする仕組みのようだ。

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日本ではこんな「温泉」は見たことがないけれど(僕が知らないだけ?)、確かに合理的。多くのドイツ人と思われる人々が、ぐるぐる何周も回っていた。僕も試してみたけれど、確かに汗が出る!

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山の中腹に温泉が点在している。20もあるらしい。

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切り立った白い崖を見ると、カンパーニャにいるんだな、ということを実感する。

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プールではなく、あくまでも温泉です(笑)。

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敷地は、左側のプライベートビーチへとつながっていて、海水浴も楽しむことができる。

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これは、POSEIDON TERME では最大の「温泉」だったかもしれない。僕も、結構真剣に泳いだ。だって、深いところは足がつかない・・・(笑)

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みんな、思い思いに温泉を楽しむ。温泉と言うより、やっぱりリゾート?

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バラも咲いていた。

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夕暮れ時のプライベートビーチ。一日が経つのは早いもので、そろそろ帰らないと。

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再び、バスで島を半周し、水中翼船に揺られてナポリへ。

カプリ島もいいけれど、リゾートを満喫しつつ、ゆったり温泉につかるイスキア島はお勧めです。

GIARDINI POSEIDON TERME
http://www.giardiniposeidonterme.com/


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南イタリア最高のレストラン「ドン・アルフォンソ1890」のおもてなし [イタリア旅行記]

アマルフィ海岸の、サンタガタという小さな町に、南イタリア最高のレストラン「ドン・アルフォンソ1890」がある。南イタリアで初めてミシュランの三つ星を取ったことのあるレストランとしても有名だ。オーガニックにこだわった農園を持ち、リゾートらしく風光明媚で、かなりこだわりのあるリストランテだと聞いていた。パートナーの提案で、僕の誕生日は、このレストランで祝うことになった。

アマルフィ海岸
アマルフィ海岸の美しい眺め

「今晩、ドン・アルフォンソへ行くんだ」とホテルのステファノに言ったら、それは素晴らしい!と、すぐにリムジンの手配をしてくれた。サンタガタは、ソレント半島の山間部にあり、公共交通機関で行くのは至難の業だからだ。

リムジンはメルセデス
ステファノの手配してくれたリムジン

リムジンは、メルセデスだった。普通のタクシーみたいなものが来ると思っていたので、ちょっとびっくりしたけれど、こういうレストランに行く場合には、やはりそれなりの準備というものが必要らしい。

ソレントから1時間弱走っただろうか。到着すると、レストランのスタッフがすぐにやってきて、ドアを開けてくれた。気が利いている。でも、どうやらそういうサーヴィスをしてもらえる場合と、そうでない場合があることに気がついた。ステファノの言う通りかもしれない。

ドン・アルフォンソ1890
ドン・アルフォンソ1890の敷地は、かなり広い

ドン・アルフォンソ1890は、夜の8時にオープンなのだけれど、早めの7時半に到着してしまった。イタリアのレストランは、午後8時からというところが意外と多い。しばし、敷地内にあるウェイティングバーで、待つことになった。

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リゾートらしいウェイティングバー

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まずは、ストゥツキーノとスプマンテを楽しみながらオープンを待つ

ウェイティングバーからは、調理室が見える。

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ドン・アルフォンソの調理室の一部

調理室もタイルを多用しており、南イタリアのリゾートなんだなと感じさせてくれる。

パートナーが気がついたのだけれど、どうやら着物で現れたパートナーを見て、スタッフ達が大慌てになったらしい。レストランの中が少し見えたのだけれど、テーブルの配置を大幅に変更していたそうだ。さてさて。

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ドン・アルフォンソ1890の店内。白を基調としたエレガントなインテリア

通されたのは、普通のテーブル席ではなくて、絵が飾ってある特別なソファ席だった。このレストランには、このソファ席は2つしかない。 おそらくパートナーの着物効果なのではないかと思う。

table
ラブリーなソファ席へ案内してもらった

ちょっとラブリーな感じだけれど、店内が見渡せてとても居心地のよい席。

再び、スプマンテで乾杯をしつつ、メニューを見る。La Tradizione という伝統的な料理によるコースと、La Degustazione と呼ばれるモダンな「マルチコース」、およびアラカルトの3通りが用意されていた。僕たちは、La Degustazione を選ぶことにした。

ソムリエによるワインのサーヴィス
ソムリエによるワインのサーヴィス

ソムリエに、このコースの内容を聞き、それに合ったワインのマリアージュの提案をしてもらうことにした。ワインリストはかなり充実しているのだけれど、料理がイメージしにくいので(これはコモ湖の「ミストラル」の時もそうだったけれど)、おまかせにした。誕生日だし、少しくらい高いボトルでもよいかと考えていた。なんと、このソムリエは日本語が少し話せてびっくりした。ドン・アルフォンソ1890のスタッフは、時々招かれて、ホテル ニューオータニへ来ているとのことだ。

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Tenuta Adolfo Spada の FLORES 2007

普段は赤ワインばかり飲む我が家だけれど、提案されたのは、地場品種であるファランギーナ種とフィアノ種の混醸の白ワインだった。Tenuta Adolfo Spada の FLORES 2007。そう、ナポリ近郊の世界遺産でもあるカゼルタにあるワイナリーだ。まさに地元のワイン。ちょうど先日 MW ジャンシス・ロビンソン女史も言っていた通り、「マルチコース」には地場品種の白ワインを合わせる、というセオリーにのっとっていることに気がつく。

FLORES 2007 は、IGT Roccamonfina だ。グレコやフィアノの DOCG もリストにあったけれど、ドン・アルフォンソ的にはこれが華やかでバランスがよくモダンで料理との相性がよくお勧めとのこと。ファランギーナ種が85%、フィアノ種が15%。全て手摘みで収穫され、ステンレスタンクで発酵と熟成がされる。生産量は8,000本で、地元にしか出回っていないらしい。外観はムギワラ色の淡い色調で、輝きがある。とてもフレッシュで切れのよい白だ。白い花のようなフローラルな香りや、リンゴやかんきつ類の爽やかな香りが広がり、華やか。しっかりとした酸とミネラルのバランスがよく、骨格がはっきりとしていてはつらつとした印象。ただ、サーヴする温度は12℃~14℃とエチケットに書かれていた。

サーヴィスは、総じて、エレガント。フレンドリーだけれど、よく気配りができていて、心地がよい。

さて、料理はというと、マルチコースだけあって、独創的な美しい盛りつけ(ある意味、和的な要素が感じられた)のお皿が次々と出てきた。

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Calamaretto leggermente affumicato ripieno di formaggi locali con crema tiepida di peperone giallo
軽く燻製した赤ちゃんイカに、地元のフォルマッジオを詰めて、温かい黄コショウのスープを添えて

和食を思わせるお皿だけれど、きちんとした南イタリアの風味を感じる。ワインとの相性もいい。

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Anatra ai sentori di cacao, arancia, banana e riduzione di Aleatico
カカオとオレンジ、バナナ、そしてアレアティコ種のワインを煮詰めた香りのアヒル

なるほど、こういうお料理があるから、白ワインの FLORES を合わせのだと気がついた。新しい味だけれど、エレガントで美味しい。

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Ristretto di cappone di mare con nudi di ricotta ed ortiche
リコッタチーズとイラクサの小片にホウボウのコンソメを添えて

これはとても和のテイストを感じる一品。実際、魚の団子のような味わいだった。

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Cappelli di pasta farciti di pollo biologico alla genovese con fonduta di parmigiano e verdure croccanti
オーガニックチキンを詰めた自家製パスタのCappeli。ジェノヴェーゼのラグーと、パルミジャーノのフォンデュにクリスピィな野菜を添えて

プリモピアットに相当するお皿。チキンのしっかりした味わいに、食感が楽しい。

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Cernia ai sentori di vaniglia con crocchette allo zenzero e zabaione alla colatura di alici
ヴァニラの香りのハタに、ジンジャーのクロケット、イタリアの「魚醤」のサバイヨンを添えて

セコンドピアットのひと皿目。手が込んだ複雑さのあるハタのお料理。

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Faraona di campo farcita di fegato d’oca al profumo di alloro e “ chips” di peperone rosso
放し飼いのホロホロ鳥にガチョウのレバーを詰めてローリエの香り、赤ピーマンの”チップス”を添えて

セコンドピアットのふた皿目。ホロホロ鳥がガチョウのレバーによってしっかりした味わいとなり、香りが高い。

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Selezione di formaggi
フォルマッジオに蜂の巣の蜂蜜を添えて

蜂蜜が、蜂の巣に入っているところが嬉しい!フォルマッジオのセレクションも、かなり充実していて選ぶのに迷うほどだった。

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piccola pasticceria
小菓子

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Dolce

ジャガイモを使った独創的なドルチェ。

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バースディケーキ!

パートナーとスタッフに祝福された幸せな一瞬。

食後には、エスプレッソと自家製リモンチェッロをいただいた。やはり、アマルフィならリモンチェッロ!

実は、こうしてお料理がサーヴされている間中、マダム・リヴィアが各テーブルをまわって、挨拶をしていた。我が家のテーブルにも、2,3度足を運んでもらったと思う。とても気遣いのある美しい方で、他のテーブルでは「あのマダムが来てくれた!」と喜んでいた人もいた。イタリアでは、かなりな有名人のようだ。

そのマダムから、「よろしかったら食後にライブラリーへいらっしゃいませんか?」と誘われた。全員というわけではないので、マダムのお気に入りや特別なイベントのゲストが案内されているのかもしれない。

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ドン・アルフォンソ1890のライブラリー

このライブラリーは、1890年にさかのぼるドン・アルフォンソの資料の他、自家製のリモンチェッロやオレンジジャム、オリーヴオイルなども購入することができる。だけれどソファでくつろぎ、マダムと歓談のできる、さながらサロンのようなところ。美味しいリモンチェッロも無料で飲ませてもらえる。スイスから来たご夫妻とも仲良くなった。「日本の方はチーズは食べるの?」なんて聞かれて、笑ってしまったけれど。僕が、ネスプレッソのファンであることや、スイス航空で来たのですよ、などと話をして盛り上がった。

さらにその後、地下のカーヴへ案内をしてもらった。

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ドン・アルフォンソ1890の地下カーヴへ

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カーヴは、地下50mまであり、4万本のワインが眠る

ドン・アルフォンソ1890の地下カーヴには、見覚えのある偉大なワインがずらりと並んでいた。実に4万本。素晴らしいカーヴだ。ワイン愛好家としては、ただただ溜め息が出てしまったが、それにしても長い階段がつらかった!

その後、さらにドン・アルフォンソのクッキングスクールのキッチン(青いタイル張りでとても美しい)や、庭園なども案内してもらった。また、宿泊施設もあるそうで、プールもあった。

星付きのグランメゾンなのだけれど、単なるレストランではなく、農園を持ち、宿泊もでき、様々なファシリティを持った素晴らしいドン・アルフォンソ1890。Non Solo Ristrante といったところだろうか。なるほど、南イタリア最高のレストランと呼ばれる理由が分かった気がする。

ゆっくりくつろいでいたら、気がついたら、午前1時近くになっていた!

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マダム・リヴィアと一緒に

最後に、マダムと一緒に写真を撮った。「今度は、ぜひ泊まりにいらっしゃってくださいね」とマダム。さらにお土産に、パスタやドン・アルフォンソ1890のDVDなどをいただいた。

そしてマダムやスタッフの皆さんに見送られながら、タクシーでドン・アルフォンソ1890を後にした。

ここには書かなかったけれど、さらに色々な気配りをしてもらったことや、昔のエピソードの話なども記憶に残っている。

サンタガタへ行くのは、ちょっと大変だけれど、もしアマルフィ海岸へ行くことのできる方がいらっしゃったら、ぜひともドン・アルフォンソ1890を体験してみてほしい。ここには、イタリア流の、おもてなしの心が満ちあふれている。


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キャンティの銘醸カステッロ・ディ・アマ(Castello di Ama)を訪問 [イタリア旅行記]

トスカーナのドライブほど楽しいものはないと、運転好きのパートナーがつぶやいた。この日は、キャンティ地方をドライブした。目的地は、テッラビアンンカ(Terrabianca)、そしてカステッロ・ディ・アマ(Castello di Ama)の2つのワイナリー。

Villa Scacciapensieri
宿泊した Villa Scacciapensieri

僕たちは、キャンティ、モンタルチーノ、モンテプルチアーノ、サンジミニャーノ、ボルゲリといったトスカーナの銘醸地をドライブするのに便利なように、シエナ郊外にある Villa Scacciapensieri へ宿泊をした。このホテルは、本当に素晴らしいのだけれど、それについては改めて。

 シエナの風景

ホテルの窓からのトスカーナの風景。この日も、快晴だった。

VOLVO S80 2.4D Kinetic VOLVO S80 のインパネ

VOLVO S80 2.4D Kinetic が、トスカーナドライブのお供。コモ湖をめぐった V70 よりもグレードを上げた。ラグジュアリーでありながらも、スポーツカーの S80。260km/h では走らないけれど。

さて、いざトスカーナへ出発!

トスカーナをドライブ

道路の両端には、一面ブドウ畑が広がる。空のブルーとブドウのグリーンが、ゆるやかなカーブでつながっている。

CHIANTI への道しるべ

シエナからキャンティは、割とすぐだ。今回の目的地である Castello di Ama は、Gaiole in Chianti 村にある。あらかじめ、ナビのGARMIN(ガーミン) に地点を登録しておいてから向かった。なので、安心だし楽ちんだ。

キャンティの農道を走る

ワイナリー(カンティーナ)は、普通、農園の中にあるので、最終的にはこのような農道を走ることになる。GARMIN がなければ、迷うところ。この先に、目的のカステッロ・ディ・アマが・・

カステッロ・ディ・アマ

カステッロ・ディ・アマは、高台の上にあってとても巨大だった。たくさんの建物があり、どこがメインオフィスか分からないくらい。

サンジョヴェーゼ

近くの畑では、サンジョヴェーゼが綺麗に完熟していた。

 カステッロ・ディ・アマのスタッフ

今日の参加者はドイツ人夫妻と我が家の4名。暖かく迎えてくれた。丁寧な説明とともに、2時間のワイナリーツアーのはじまり。

ちょうど収穫されたブドウの搬入が

ちょうど収穫されたブドウを搬入しているところだった。ブドウがつぶれないように、小さなケースに分けて運搬をしている。

選果台の作業

隣では、すぐに選果台でブドウの選別作業がはじまる。この作業自体で、ワインの味が変わるから大切な仕事だ。腐敗した果実や葉っぱ、未熟な果実などを選り分ける。

ステンレス発酵槽

最初の発酵を行うステンレス発酵槽。かなり巨大。何かの工場のようだ。

ステンレス発酵槽の温度管理

各タンクはコンピュータにより温度管理がなされている。発酵時の温度管理はとても重要だ。カステッロ・ディ・アマのキャンティ・クラシコは、この時点では 22~23度前後で管理されていた。(最終的には、33度前後になったようだ)

カーヴにあるバリック

最初の発酵が終わったら、バリック(木樽)で熟成される。このワイナリーには、後でも登場するけれど、かなりの数のバリックがある。

ガラスのアート

カーヴの中で、ワイングラスをモチーフにしたアート作品のシャンデリアが。1年に1人の芸術家を招いて、数週間から数ヶ月アマに滞在してもらい、その体験をもとに作品を作ってもらっているとのこと。なので、アマの各所にはアート作品があふれている。さながら美術館だ。

カーヴにあるバリック

より上級キュヴェのベッラヴィスタやカズッチャのバリックたち。

さて、ここで再び地上に出る。トスカーナの太陽のもとへ。

 オリーブの畑

アマではオリーブオイルも生産しているので、ところどころでオリーブの木を見かける。

敷地内にある教会

カソリックの国らしく、ワイナリー内に2つの教会があった。

キャンティ・クラシコの畑の眺め

キャンティのブドウ園の眺め。サンジョヴェーゼやカナイオーロ、マルヴァジーア、そしてメルローなどもある。このキャンティ・クラシコの地質の特長は、ガレストロ(Galestro)と呼ばれる、堆積土壌で石灰質を多く含んだ石や岩、そして粘土壌だという。この石と粘土が混在して、よい畑が生まれるのだという。それがワインのミネラル感につながっていくらしい。確かに、いたるところ石がゴロゴロしていた。

ラッパリータのバリック

最上級キュヴェとも言える、ラッパリータ(L’APPARITA)のカーヴ。どのカーヴも、清潔で慎重に管理されている。ラッパリータは、ポムロールから持ってきたメルローで作られているらしい。とても高い評価のワインで、スーパータスカンのひとつだ。僕もエノテカでテイスティングをしたことがある。

REVOLUTION!

アーティストが作った作品がカーヴにもある。これは REVOLUTION を逆さまにしたネオン。ひんやりとした石壁とバリックに、真っ赤な REVOLUTION が光る。ラッパリータは、このようなところで熟成がされる。

敷地内は広い

敷地内はとても広く、歩いても歩いても、色々な施設がある。

これも芸術作品

これも芸術家の作品。本来1つであるはずの世界が、色々な壁で分断されてしまっている。でも、自然(ブドウ)に壁はない。

鏡の向こうに畑が見える

鏡の向こうに、キャンティのブドウ園が見える芸術作品。

さて、メインビルディングへ。

 メインビルディング 

美術館のように歩き回って、ようやくテイスティングタイム!

テイスティング開始前の説明

CASTELLO DI AMA CHIANTI CLASSICO 2006。これは、栽培家でありエノロゴ(醸造家)の Marco Pallanti (マルコ・パランティ)氏の在任25周年に作られた特別な1本。ボトルには “AMA 25” と彫り込まれ、エチケットにも “Grazie Marco...” とメッセージが書き添えられている。キャップシールも特別にシルバーだ。

かつてキャンティが安くて早飲みのワインと言われていた時代に、マルコ・パランティ氏は、「熟成するキャンティ・クラシコを作る」という目標を立てた。そのためブルゴーニュと同じように、畑をクリュと呼ばれる区分に分け、それぞれに最適な方法で栽培と醸造を行い、また収量制限も行って「スッパイ」という汚名を挽回させようとしたという。

この努力によって、サンジョヴェーゼが本来持っているしっかりした果実味とタンニンが生まれ、キャンティ・クラシコの品質は格段に向上した。これは大いに他の生産者も刺激して、キャンティ・クラシコの評判を高めることになったという。

ところがパランティ氏は、クリュごとに発売をしていたキャンティ・クラシコを、再びブレンドすることにした。ブドウの樹が古木になり品質があがってきていることと、ブレンドすることで常に安定した最上のワインを作る考え方に転換をしたというのが理由。それが今の「カステッロ・ディ・アマ キャンティ・クラシコ」。ちょっと、アンジェロ・ガイヤ氏のバルバレスコのエピソードを思い出す。

しかし現在でも、ブドウの出来の良い年には、Vigneto Bellavista(ベッラヴィスタ)と Vigneto La Casuccia(カズッチャ)のクリュのキャンティ・クラシコが作られることがある。

その功績を認められて、パランティ氏は現在、キャンティ・クラシコ協会の会長も務めているそうだ。

詳しくは、こちらに記事がある。

Marco Pallanti’s “Silver Anniversary” with Castello di Ama
http://www.castellodiama.com/english/pressrelease.php?id=359

CASTELLO DI AMA 2006

パランティ氏のカステッロ・ディ・アマのワインは、とても骨格のしっかりしたキャンティ・クラシコ。実は、昨日の青木冨美子先生のオープンカレッジでも、このワインが登場してびっくりした。

でも、チャーミングな果実味と味わいの深みとバランスの良さ、サンジョヴェーゼらしい飲みやすさと酸とタンニンによる構造のしっかりした所、ミネラル、品の良さなど、このワインは一発で分かった。ただセパージュは、サンジョヴェーゼ以外に、メルロやカナイオーロ、マルヴァジア・ネーラが混醸されているのかもしれない(以下のテクニカルノート参照)。

Castello di Ama 2006
http://www.castellodiama.com/english/castellodiama.php?anno=2006

「キャンティはスッパイ」という先入観を持っているあなた。ぜひ、このカステッロ・ディ・アマを試してみてほしい。お金の余裕のある方は、「カズッチャ」や「ラッパリータ」も!エノテカで売っています。

Grazie Marco 
CHIANTI CLASSICO 2006 の Grazie Marco

 


Castello di Ama スライドショー

 


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映画『イングリッシュ・ペイシェント』ゆかりのピエンツァを歩く [イタリア旅行記]

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映画の舞台ともなった、ピエンツァでのランチ

第二次大戦終戦間近の1944年。北アフリカの戦場で撃墜されたイギリスの飛行機から、全身にやけどを負った男が連合軍に保護される。記憶を失っていたために、男はイングリッシュ・ペイシェント(イギリス人の患者)と呼ばれる。収容された野戦病院でカナダ人の看護婦ハナ(ジュリエット・ビノーシュ)から献身的な看護を受け続け、男はやがて、少しずつその記憶を回復する。それは砂漠で出会ったイギリス人の人妻キャサリンとの許されぬ愛の日々だった・・・

この物語は回想形式で綴られている。主人公の愛の日々と、看護婦ハナの再起のドラマを織り上げた重層的な物語で、1996年のアカデミー賞では8部門を獲得した。ちなみに、アメリカ映画。

砂漠のシーンが印象的な映画だけれど、イングリッシュ・ペイシェントであるアルマシーとハナの物語は、トスカーナのピエンツァで撮影された。中世からの町並みが生きているこの小さな町は、1996年に世界遺産にも登録されている。

ヴァル・ドルチャの眺め
ヴァル・ドルチャ渓谷の眺めとトスカーナの糸杉

なだらかな丘陵地帯
なだらかな丘陵地帯が眼下に広がる

歴史的建造物
よく分からないが、何かの歴史的建造物なのだろう

中世を歩く
中世の世界を歩く

歩く
歩く

ピッコローミニ宮殿 
ピッコローミニ宮殿

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本当に、中世の町並みのよう

ボルジャ宮殿 
ボルジャ宮殿

ピエンツァのドゥオーモ 
ピエンツァのドゥオーモ

と、歩き疲れたところで(いや、本当はランチの方が先だったのだけれど)、町の南にある LA TERRAZZA DEL CHIOSTRO へ。この記事の一番最初の写真は、ヴァル・ドルチャ渓谷に面したこのリストランテでランチを食べる親子の様子だ。とてもいい光景。

このレストランはとてもお勧めできる。渓谷を見下ろし、トスカーナの丘陵地帯を見られる風光明媚なロケーションと、美味しいパスタ、美味しいワインが比較的リーズナブルに楽しめるからだ。サーヴィスもエレガントだ。

LA TERRAZZA DEL CHIOSTRO
LA TERRAZZA DEL CHIOSTRO

 スペルト小麦のタリオリーニ、トリュフのクリームをパルミジャーノ・レッジャーノのシエナ形式のチャルダ(ウエハース)とともに
スペルト小麦のタリオリーニ、トリュフのクリームをパルミジャーノ・レッジャーノのシエナ形式のチャルダ(ウエハース)とともに

マロンの粉で作ったメッツェ・マニケ、地元のイノシシのラグーとヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノのソースで 
マロンの粉で作ったメッツェ・マニケ、地元のイノシシのラグーとヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノのソースで

合わせるワインは、もちろん、地元のヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ!ブルネッロ・ディ・モンタルチーノやキャンティ・クラシコもよく飲んだけれど、ヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノもコストパフォーマンスが高くてよく頼んだ。今回はランチなのでグラスで。

なお、ピエンツァはペコリーノチーズの最高の産地で、トスカーナの色々なレストランでこのピエンツァのペコリーノを楽しんだのが記憶に鮮明だ。

カプチーノ
食後はカプチーノ

というところで、時間になってしまった!この後、モンタルチーノに戻らないと。

実は、表題の『イングリッシュ・ペイシェント』の修道院は、町の北にある Sant'Anna in Camprena だ。ここは、今は、アグリツーリズモをやっているらしい。ちょっと町の中心から離れているけれど、映画に思い入れのある方は地図を頼りに訪ねるのもいいと思う。

トスカーナではシエナ郊外に宿泊をしたのだけれど、実は、最初の予定地はピエンツァだった。しかし、随一のホテルである Il Chiostro di Pienza の予約が3ヶ月前でも一杯で取れなかった。後から『イングリッシュ・ペイシェント』を巡る旅をアメリカ人がしており、人気だということを知った。いや、『グラディエーター』かもしれないし、『ロメオとジュリエット』なのかもしれない。それくらい、映画のロケに使われている町だ。

気がついた方はいらっしゃると思うけれど、実は、紹介したレストラン La Terrazza del Chiostro は、この予約の取れないホテルのレストランだったのだ。そんなに大きな町ではないので、ちょっと立ち寄ってランチというのもお勧めできる。


PIENZA スライドショー


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Flickr でスライドショー [イタリア旅行記]

写真の数がいつも多いのが悩みとなっていたこの blog だけれど、Flickr を使えばスライドショーを埋め込めると知って、ちょっとテストです。

真ん中の再生アイコンを押して、しばらく待つとスライドショーが始まります。

ランドスケープは良好ですが、ポートレイトが画質が厳しいですね。
でも、便利さには代えられないかも。

今回は、イタリア旅行のダイジェストです。
もっとたくさんの画像があるのだけれど、とりあえずテストということで。


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極上の牛フィレを味わう@フィレンツェのイエロー(YELLOW BAR) [イタリア旅行記]

ロングバケーション

山口智子と木村拓也の傑作ドラマ、「ロングバケーション」の再放送を見た。改めて僕が書く必要はないと思うので割愛するけれど、1996年3月14日に、パートナーと僕にとって、このドラマとの出会いがあった。

傷心のパートナーを、この日に連れて行ったのは、東京ドーム。マライヤキャリーの “Daydream Tour”。ドームではあるけれど、アリーナの中央、前から4列目で僕たちは歌姫のライブを満喫した。そのまばゆいまでの輝きを放つ彼女のダイヤモンドを見つめながら。その時、3列手前(最前列)に、山口智子と木村拓哉、瀬戸朝香が来場していることを知った。ライブでは、大スクリーンに彼らの映像が流されて場内は騒然となったようだ。そう、山口智子と木村拓哉は、ドラマ「ロングバケーション」のプロモーションも兼ねて、このライブを聴きに来ていたのだった。帰り際にすれ違ったのを覚えている。

あれから10年以上経過して、僕は今回、初めてこのドラマを見たのだけれど、このミナミちゃんってパートナーにそっくりだなと感じた。男っぽくて女っぽいというか・・・損をしちゃうタイプというか。それはともかく、竹野内豊が出ているのを見て、僕はフィレンツェのことを思い出した。

雨のフィレンツェ・シニョリーア広場
雨のフィレンツェ・シニョリーア広場

前日、喧噪のフィレンツェのとあるワインバーでパートナーと大げんかをして、彼女とは夜連絡が取れなくなってしまった。僕も彼女も、フィレンツェの雑踏にはうんざりしていた。結局、3時間後に彼女と深夜のウフィツィ美術館の前で再会をしたのだけれど、それまでの間、彼女はとあるバールへ行って、ワインを飲みながらマスターと語り合っていたらしい。僕の悪口とかね(笑)。イタリア語と英語のまざりあったコミュニケーション。マスターのフランチェスコはイタリア語しか分からないらしい。だけれど、彼女の言いたいことは分かったようだ。そして、パートナーはいかにフィレンツェの「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」がひどいかについて話をしたらしいのだけれど、フィレンツェ生まれのフランチェスコは、それは本当のビステッカではない、観光客相手の商売だ。この店に行ってみたらいい、とあるお店を勧めてくれた。

それが、”YELLOW” だった。ガイドブックにも載っていないお店。フランチェスコが地図につけてくれた印だけを頼りに、翌日行ってみることにした。

フィレンツェのイエロー(YELLOW)
フィレンツェのイエロー(YELLOW)

YELLOW なんて英語だし、変な名前だなと思った。早めの時間だったので、まだ席に空きがあったのだけれど、通されたのは日本人女性2人組との相席だった。なんで?しかも日本語メニューまである!この時点で、パートナーは帰ろうと思ったらしい。でも、僕はフランチェスコを信用することにした。聞けば、昨日イタリアに着いたばかりの女性組で、今日はフィレンツェ、明日はナポリと忙しい旅行をしているようだった。だけれどとても気さくに、お互いの話をした。海外では日本人同士は会話を避ける傾向があるように思うけれど、そんな雰囲気は全くなかった。

そして、このYELLOWが、映画『冷静と情熱のあいだ』の撮影中、竹ノ内豊が通い詰めたレストランだと教えてもらった。「この席に座ったのかもね」なんて話をしながら、ふーんと思った。

ところが、僕たちが到着して間もなく、あっという間に店内は満席になったのだ。

フィレンツェのイエロー(YELLOW)の店内
YELLOW の店内の様子

雨だというのに、またたく間に行列ができて、そのうち、新しく来たカップルやグループはスタッフから入店を断られていた。見れば、地元大学生と思わしき合コンのグループまでいる。地元人御用達なのだろうか?

カジュアルなYELLOWの店内
カジュアルなYELLOWの店内は満席

気を取り直して、メニューを見ることにした。

YELLOWのポップな紙のランチョンマット
YELLOWのポップな紙のランチョンマット

ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナは、1kg で 39 ユーロと書いてある。1kg!?あまりに多すぎるよね、と話をした。せめて 500g にして欲しい。そうカメリエーレにも交渉をしたのだけれど、とにかく 1kg 以上でないと注文を受けられず、また 1kg ぴったりにはならないので秤の目方で金額が変わるという話だった。前日、19世紀からあるカフェレストランで食べたものがひどかったので、もうこりごりと思っていたので、1kg は断念することにした。その代わりにお勧めは?

「牛フィレ肉のメダイヨン・ローズマリー風味」
(メダイヨン・ディ・フォオレット・アル・ローズマリーノ)

このステーキは 300g らしく、それでも多いよね、と。でも選びようもなく、オーダーした。

ワインは、コストパフォーマンスに優れるトスカーナの DOCG ヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ 2004 にした。

ワインのサーヴィス ヴィノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ2004
TorCalvano の Vino Nobile di Montepulciano Riserva 2004

ホストテイスティングで若すぎると思われたので、デキャンタージュをしてもらった。こんなカジュアルなレストランでも、ちゃんとデキャンタージュができる、そう失礼ながら思った。TorCalvano の Vino Nobile di Montepulciano Riserva 2004 は、とても深いルビー色で、赤いチェリーやプラムの果実味が豊かでスパイシィ。酸とタンニンがしっかりしたフルボディの赤。24ユーロだったけれど、これはコストパフォーマンスがいいし、きっとステーキにも合うだろう。

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2色タリアテッレのハムとキノコのクリームあえ(PAGLIA E FIENO)

プリモピアットは、mezzo e mezzo、つまり2人で1皿でこの手打ちパスタをオーダーした。意外と美味しい!というか、フィレンツェに来て初めて美味しいものに出会えたかも、、と思った(昔のことは忘れた)。ワインも進むし、パートナーと僕は、あっという間にこのお皿をたいらげてしまった。しっかりと腰のある、旨みにあふれたパスタだった。これは次が期待できる。

そしてやってきたのは、、、

牛フィレのメダイヨン!
牛フィレ肉のメダイヨン・ローズマリー風味(MEDAGLIONI DI FILETTO AL ROSMARINO)

写真では分かりづらいかもしれないけれど、300g ある。これをパートナーと取り分けて食べた。

旨い!!!!!!!味付けは、本当にシンプルなはずなのに、肉の旨みというか、深みというか、赤身なのに、和牛とは違う深い味わいは衝撃的だった。噛めば噛むほど味がしみ出してくる味わい深い肉にはパートナーも僕も感動した。前日のカフェとは違って、「レアなのにかみ切れない」ということもなく、程よい肉質。焼き加減が素晴らしい。この肉を食べただけでも、フィレンツェに来て良かったと思えたくらいだ。

当然のことながら、300g はあっという間にパートナーと僕の胃袋におさまってしまった。そして、「物足りない」とお互いに思ったのだった。こんなことなら、「ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ」でも良かったのではないか、と。

YELLOW は、日本の観光ガイドでは「ピザが美味しい」と書かれているけれど、僕はそれは表面的なことではないかと思う。やはり、YELLOW に行ったら、牛フィレ。ピザなんてどこでも食べられるけれど、これほど美味しい牛は、なかなかない。フィレンツェに行ったら、ぜひ、YELLOW で牛のうまさを体験して欲しい。フランチェスコも太鼓判のはずだ。

前日のお礼にと思い、パートナーとフランチェスコのバール(パートナーは名前すら覚えていなかった)RUM E PERE へ行った。

フランチェスコのバール RUM E PERE
フランチェスコのバール RUM E PERE

どんなバーなのだろうと思ったら、本当に質素な感じのバールだった。パートナーは前日も、ここでミネラルウォーターを大量買いしていたのだけれど、確かに安い。ワインも安い。地元と思わしきお客さんがひっきりなしにやってきて、ミネラルウォーターを買っていく。

それはともかく、お礼を言いつつトスカーナ・ワインとお勧めのグラッパをいただいた。でも、フランチェスコは、パートナーによれば昨日とは違ってよそよそしい感じだったそうだ。「なんだ結局、男のもとにかえったんじゃん」と思ったのかもしれない。フランチェスコもイタリア男だ。

その時、ちょうどローマ対フィレンツェのサッカーの試合をやっていて、フランチェスコは画面に釘付けだった。

サッカー観戦に興じるフランチェスコ 
壁掛けテレビでサッカー観戦に興じるフランチェスコは、上の空。入れ墨も “F”

そして、フィレンツェが負けるのが決まったと思った瞬間に、テレビを消した。

エスプレッソ
やっぱり最後はエスプレッソで

フィレンツェには3日間いたのだけれど、やはりこの夜のことは特別だったかもしれない。またフィレンツェに行くことがあったら、ぜひとも YELLOW を再訪したいと思う。フランチェスコのバールも歩いて数分だ。


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YELLOW
Via del Proconsolo,39-red,50122 Firenze
TEL:055-211766


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もうひとつのリストランテ・ミストラル@コモ湖ベッラージョ [イタリア旅行記]

コモ湖・ベッラージョのリストランテ・ミストラルの「分子科学的料理」について書いたけれど、このレストランはこういう斬新なメニュー以外にアラカルトで、トラディショナルな料理も用意している。個人的には、このアラカルトの方が好きだったかもしれない・・(味覚が保守的なのかもしれないけれど)

Vietti Barolo Lazzarito 2001
Vietti の Barolo Lazzarito 2001

湖畔のレストランらしく、夕暮れ時は景色がブルーに染まる。トラディショナルな料理には、トラディショナルなワインが良く合うということで、ロンバルディア州のとなり、ピエモンテ州の銘酒バローロをこの夜のお供にした。Vietti の Barolo Lazzarito 2001。

Vietti は、家族経営のカンティーナで、出石万希子著『イタリア・ワイン・ブック』に紹介があったので、引用する。

ヴィエッティのワインはクリュごとのの個性を大切にしている。まず手掛けたのはバローロ・ロッケとバルバレスコ・マッセリアだった。1961年のことで、クリュ・ワイン生産者としては最も早い時期の一人だ。現在はドルチェやバルベーラも生産しているが扱うワインはクリュ名入りがほとんどである。ロッケはより長熟で、皮や枯れたバラの香りを持ち、気品にあふれる。ラッツァリートは花の香りに加えてベリー系の香りが豊かで、生気あふれる力強さがある。

僕の感想としては、果実味にあふれているのと同時に、ジビエやレザーなどの動物的な香りが感じられた。鉄分やミネラルが豊富で、かなり力強くしっかりしたバローロ。ソムリエのマッテオ氏にジビエが食べたい、と伝えたところ、紹介されたのがこのバローロだった。なるほど。ラッツァリートもカンヌービやロッケ、ブルナーテなどと同じ、バローロの単一畑だ。

Vietti
http://www.vietti.com/

さて、料理は、まずはストゥッツィキーノからスタート。

アミューズブッシュ
ストゥッツィキーノ

ストゥッツィキーノからして、ラ・テラッツァとは違っていて、この夜は期待が持てた。ただし明日に備えて、アペリティーヴォはがまんした。

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アンティパスト。牛のカルパッチョとカリカリの野菜、水牛のモツァレラに砂糖漬けのトマト、アンチョビ、Taggia産オリーブを添えて

トラディショナルな料理ながらも、トマトを砂糖漬けにしていたりとアレンジがある。カルパッチョと水牛のモッツァレラの相性がよく、新鮮な素材で、フレッシュながら味わい深い。

プリモピアット。カラシナとカエルの足のフライを添えたリゾット 
プリモピアット。カエルの足のフライを添えたカラシナのリゾット

プリモピアットは、リゾットにした。カラシナ(からし菜)の葉をリゾットのソースにしている。カラシナの種子は、和がらしの原料というから意外な取り合わせ。周りに振ってあるのはピリッとしたのでカラシナの実なのかもしれない。サクサクとしたカエルの足のフライと、リゾットのしっかりした味わいのバランスがよい。ちょっとエキゾチックなリゾット。

セコンドピアット。ベルギー産エンダイブを添えた鳩を2つの調理法で、コリアンダーとハチミツ、チェリーと洋梨のソースのフォアグラ
セコンドピアット。ベルギー産エンダイブを添えた鳩を2つの調理法で、コリアンダーとハチミツ。および、チェリーと洋梨のソースのフォアグラ

絶妙の火加減と、臭みのないフレッシュな鳩とフォアグラ。「ジビエ」というイメージにピッタリの料理だが、コリアンダーやハチミツをアクセントに使っていてとても美味。ジビエ好きの我が家も大満足。もちろん、バローロとのマリアージュは最高!また、フォアグラにはチェリーと洋梨のソースが添えられていて、このフレッシュでありながらも濃厚な深い味わいが素晴らしかった。貴腐ワインと合わせたいところ。

ドルチェ
ドルチェには、小菓子を

明日のパートナーの誕生日に備えて、ドルチェは小菓子にした。それでも、タルトなど丁寧に作られている。

カフェ
食後のカフェ

ジョエル・ロブションでもそうなのだけれど、最近、斬新なモダン料理と伝統料理の2つのメニューを用意しているレストランが増えているように思う。南イタリア最高のレストラン「ドン・アルフォンソ1890」も同様だった。

伝統を守りつつも、常に新しい素材や調理にチャレンジする姿勢は、とても好ましいと感じる。できれば、両方体験していただけたらと思う。


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ミラノからベッラージョへの道のりと PND GARMIN(ガーミン) [イタリア旅行記]

Google maps のルート案内などで Milano の Stazione Centrale(ミラノ中央駅)から Bellagio(ベッラージョ)まで検索すると、通常、Lecco(レッコ)という街を経由するルートを推奨される。このルートはアウトストラーダA9も通らないし、Como(コモ)も通らないので、面白くないなぁ・・・やっぱり、Como から Bellagio まで湖畔を走りたい、と思ってナビの GARMIN nuvi 205W(ガーミン)には、Como を経由するように指示を出した。

我らが VOLVO V90
まだ何も知らない、Stazione Centrale di Milano での我らが VOLVO V70。

 
相棒 GARMIN nuvi 250W
我が家の「相棒」。GARMIN nuvi 205W を日本で購入してポイントなどを覚えさせ、持って行った。

GARMIN nuvi 205W は、今回の旅行では大活躍で、Milano → Como → Bellagio という湖水地方への旅のみならず、Bellagio → Venezia というヴェネツィアへの旅、また Firenze → Siena や、トスカーナワイナリー巡り、および Siena → Roma というローマへの道のりを、辛抱強く案内してくれた。後に我が家では「相棒」というあだ名がついたほどだ。

この GARMIN については、荒俣宏・泰子さんの共著である『ヨーロッパ・レンタカー旅行完全ガイド イタリア編』にとても詳しく解説があるので、もし同じような旅行を計画されている方がいらっしゃったら参考にしてみてください。

ちなみに我が家では、GARMIN nuvi 205W と、ヨーロッパ地図である MapSource CityNavigator Europe NT の DVD 版を購入して、パソコンで立ち寄り地点の設定やルートの確認などを行った。それを GARMIN に転送した。

MapSource 
MapSource CityNavigator NT。ポイントの追加やルート探索、GARMINとの同期が可能。

また、GARMIN 社の以下のサイトにプラグインがあり、Google maps から「GPSに送信」で USB ケーブルで接続された GARMIN 本体へ地点の転送ができ、活用した。ワイナリーなどは普通の地図にはないので、Google maps で検索して、その場所を GPS へ送信みたいなイメージになる。PND (Portable Navigation Device) あるいはポータブルナビとして欧米でも人気の GARMIN だけれど、この旅だけでも十分元が取れたなと思う(日本に帰ってからは携帯があるので、まぁ、いいかになってしまったけれど)。ちなみに車を離れる時は、毎回、GARMIN を取り外したのだけれど、PND でポケットにも入るサイズなので気にならなかった。

Picasa Content

Garmin | GPSに送信
http://my.garmin.com/locate/google-sendtoGPSHelp.htm

Garmin Communicator Plugin
http://www.garmin.com/garmin/cms/site/products/communicator

それはともかく、今回の Milano から Bellagio へのルートは次のようになっていた。


大きな地図で見る

Google maps って、こんなことも出来るのか・・便利。

既に、「グランド・ホテル・ヴィラ・セルベッローニの素敵なヴァカンス」で書いたとおり、A→Bへは気持ちよく走ることができた。

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おなじみの AUTOGRILL で休憩。

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さすがイタリア。サービスエリアとは思えない品揃え。もちろんワインも!

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プレートも買って、VOLVO は “ALICE 号” ということになった。

ところが、B→C、つまり Como から Bellagio への道のりは相当に険しく、僕的にはかなり困難を極めた。パートナーは面白かったと言っていたけれど、これは相当に運転が好きな人でなければ難しいのではないかと思う。余談になるが、今回の旅行中で最も険しいと思われた道は、Sorrento から Amalfi への道のりだった。

 
コモ湖畔の道
この道は、まだ広い方・・・

Bellagio を後にして、Venezia へ向かった際に気がついたのだけれど、実は Bellagio → Lecco の道の方が若干広く、Como → Bellagio よりはマシかもしれない。ただ、やはり難しいのには変わりはないが・・。ルート検索でのお勧めルートは、単に距離が短いというだけでなく、道幅の狭さなども考慮されているのではないかと感じた。

Bellagio へ車で行かれる方は、この点、気をつけられた方がよいと思う。悪いことは言わないので、Lecco を経由してください(笑)。

また、Bellagio へはフェリーで行く方法もあるので、よく調査されるといいかもしれない。フェリーについては、普通のルート案内では見つからないので、以下のサイトなどで研究されると良いのではなかろうか。

GESTIONE GOVERNATIVA NAVIGAZIONE LAGHI - LAKE COMO
http://www.navigazionelaghi.it/eng/com/nlc.html

コモ湖の別荘
コモ湖の典型的な別荘

僕個人の意見だけれど、イタリアの4大リゾート(避暑地)は、コモ湖、カプリ島、タオルミーナ、サルディーニャ島だと思っている。サルディーニャ島以外には行ったことがあるけれど、中でもコモ湖はお勧め。行くタイミングにもよるのかもしれないけれど、カプリ島やタオルミーナは人が多すぎる。サルディーニャ島は、ちょっと敷居が高い感覚がある。なのでミラノから気楽に行けて、風光明媚で非日常空間を味わえるコモ湖は、お勧めできる。でも、次のイタリアでは、サルディーニャ島に行きたいかな。


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パートナーの誕生日@コモ湖・ベッラージョのリストランテ・ミストラル [イタリア旅行記]

さて、コンピュータの殺伐とした(?)話題ばかりでは「趣味」をうたったこの blog が泣いてしまうので、気を取り直して、Windows Live Writer で(笑)、パートナーの誕生日を祝った、コモ湖のベッラージョという村にあるリストランテ・ミストラルについて書くことにする。

リストランテ・ミストラルは、既に書いたグランド・ホテル・ヴィラ・セルベッローニの館内にあるレストランだけれど、実は、セルベッローニとは別に専用のホームページも開設している。

Ristorante MISTRAL BELLAGIO Cucina MOLECOLARE - LAGO DI COMO
http://www.ristorante-mistral.com/

グラン・シェフは、メインダイニングのラ・テラッツァと同じ Ettore Bocchia(エットーレ・ボッキア)氏。けれど、メニューの構成も使っている素材もワインもサーヴィスも内装も、何もかも違うように感じた。

ミストラルの専用門
ホテルの入り口の横に、リストランテ・ミストラルの専用門がある。

地下1Fにミストラルはある。地下といっても、湖畔に面したひな壇状の土地なので、実際には湖が見える風光明媚なロケーションだ。テラス席もあり、ランチにも良さそうだ。

ミストラルのダイニングを入り口側から 
インテリアは「船室」をイメージしてデザインされたらしい。

ミストラルのダイニング
店内は広く、ウッドを多用した暖かみのある雰囲気。青木先生ご指摘の通り、差し色に青があしらわれているところが粋だ。

テーブルセットには羅針盤が 
テーブルセットも、どこかレトロな感じがする。これは羅針盤だろうか。

スプマンテで乾杯♪ワインはテッレ・ディ・フランチャコルタ
まずは、土地のスプマンテ(スパークリングワイン)、フランチャコルタで乾杯。セパージュは、シャルドネ、ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)、ピノ・ビアンコ(ピノ・ブラン)。引き続いて、ソムリエ・マッテオ氏のお勧めの、テッレ・ディ・フランチャコルタ(スティルワインの白)を抜栓。

ソムリエのマッテオ氏とCA'DEL-BOSCOのテッレ・ディ・フランチャコルタ2006 マッテオ氏によるワインのサーヴィス
サーヴィスはフレンドリーだけれど適切な距離感があって心地よくリラックスできる。マッテオ氏は、「日本といえば、”貝印”ですね」と言っていた。ソムリエらしいコメント(笑)。

この日は、このレストランの売りである Molecular Cuisine (分子科学的料理?)に合わせるワインとして、Ca'del Bosco(カ・デル・ボスコ)の TERRE DI FRANCIACORTA 2006(テッレ・ディ・フランチャコルタ)をオーダーした。フランチャコルタはこの土地のワインであり、また、かなりモダンな料理だと聞いたからだ。ちなみにこのワインのセパージュは、シャルドネが100%。

Ca'del Bosco
http://www.cadelbosco.it/

説明を引用すると・・・

This is the Ca' del Bosco Chardonnay, a deep golden yellow color with a complex fragrance of ripe fruit, vanilla and toast. In the mouth, it has a rich structure, finesse and great smoothness. Vinification.Ca del Bosco Chardonnay embodies a terroirs capacity to exalt a grapes features and mans ability to extract them and transform them into a great wine. After careful selection, the grapes taken from 7 elect vineyards are pressed whole and the first portion must is poured into small oak barrels for alcoholic fermentation. Here it remains on its yeasts for another 10 months and, through batonnage, reaches maximum harmony of bouquet and complexity of taste. Afterwards the different batches are blended and the final result is bottled totally withoutoxygen or agitation thanks to an innovative bottling system that preserves its inherent quality.

ブルゴーニュとはまた違った方向性で、フレッシュなシャルドネだけれど、独特の旨みや深みもある。青木先生や MW Jancis Robinson 女史がシャルドネはテロワールの鏡のようなものとおっしゃっていたけれど、確かにそう感じる。しっかりした白で、メインにも合わせられそうだ。

ミネラルウォーターは地元Monte Grona
ミネラルウォーターは、地元 Monte Grona のフリッツァンテ。アルプスの麓にある、spring だ。ラ・テラッツァのカメリエーレにも言われたのだけれど、エチケットの裏側(写真右)にもプリントがある。「これがこの土地の風景です。」

ワインとパンとフリッツァンテに景色 
日が沈み、次第に青みを増していくコモ湖を眺めつつ、ワインをいただく。

さて、いよいよ料理を紹介する。念のため書いておくと、このレストランには、アラカルトによる伝統料理(これは前日に楽しんでとても美味しかった)と、Molecular Cuisine と呼ばれるモダンな料理の2通りのチョイスがある。前日は伝統料理だったので、この日は、Molecular Cuisine に挑戦をした。

シチリア赤海老のグアカモールアイスクリームとココナッツのアイスクリーム。イカスミのワッフルを添えて 
シチリア赤海老のグアカモールアイスクリームとココナッツのアイスクリーム。イカスミのワッフルを添えて

最近のレストランの流行として、最初のお皿にアイスクリームを出すところが増えているように思う。とはいえ、いきなりイカスミのワッフルとは!というか、グアカモール(ディップのようなもの)がシチリアの赤海老で出来ているとは、説明されるまで分からなかった。確かに、新しい感覚。でも、素直に美味しかった。

凝結した卵クリームを2通りの食べ方で:キャビアを詰めてオイスターのゼリーおよびオニオンとサワークリームを合わせたもの、液状化したファッソーネ牛のタルターレにピンクペッパーを添えて
凝結した卵クリームを2通りの食べ方で:キャビアを詰めてオイスターのゼリーおよびオニオンとサワークリームを合わせたもの、液状化したファッソーネ牛のタルターレにピンクペッパーを添えて

まさに分子科学的料理を体現したような前菜。不思議とワインとよく合い、エレガントながらもしっかりとした味わいで面白い。液状化した牛のタルタル?ファッソーネ牛は、ピエモンテ特産の特級品。いずれ書くことになるだろう、トスカーナ特産のキアナ牛みたいにブランド牛だ。いわゆる「カルネ・クルーダ」を現代風にアレンジしたもののようだ。このお皿は美味しかった。

セレリアックのゆで団子にエンドウのクリームとイクラを添えて
セレリアックのゆで団子にエンドウのクリームとイクラを添えて

これは、実に和のテイストを感じたひと皿だった。セレリアックというのは、セロリの根っこのこと。ヨーロッパでは比較的よく食べられているようだけれど、この食べ方は初めてだった。何か、懐かしい味わいに感じた。もちろん、ワインとの相性もグッド。後で考えてみると、これがプリモピアットだったのだろう。

砂糖に閉じ込めたカレイのフライに蒸し野菜とマッシュドポテトおよびポロねぎのソースを添えて 
砂糖に閉じ込めたカレイのフライに蒸し野菜とマッシュドポテトおよびポロねぎのソースを添えて

またまた新しい味覚体験!写真では分かりづらいけれど、とても手間がかかっているものなのです・・おそらく、セコンドピアットの1皿目。なぜか、ちょっと和のテイストのあるフレンチの感覚を覚えた。

低温調理された仔牛とイヌリンのサバイヨン、フライドポテトおよびキャラメリゼしたオニオンを添えて 
低温調理された仔牛とイヌリンのサバイヨン、フライドポテトおよびキャラメリゼしたオニオンを添えて

セコンドピアットの2皿目。仔牛はレアとも違う不思議な焼き加減!でもしっかりと旨みがつまっていて、美味しい。イヌリンのサバイヨンとは、天然のオリゴ糖の一種をに水、酒類などの水分を加えて軽く温めながら細かく泡立てたものらしい。これをソースにしている。小さいけれど、意外とボリュームを感じる。もう、今となっては、どれがフライドポテトで、どれがオニオンなのかも分からないけれど(笑)。

ミント添えた新しいイタリアのメレンゲにワイルドベリーやマリネしたイチゴおよびホワイトチョコレートソースで詰めて 
ミント添えた新しいイタリアの「メレンゲ」にワイルドベリーやマリネしたイチゴおよびホワイトチョコレートソースで詰めて

デザートの1皿目。これは純粋に美味しく楽しめた。普段日本で食べるお菓子も色々と手が込んでいるものが多いためか、普通に美味しかった。

さて、ここで新しい「料理」が登場した。

新しい「料理」の登場
何やら、科学の実験のようなワゴンが運ばれてくる・・・

クリームに液体窒素を注いでいます かきまぜる、かきまぜる!
なんと、左側のポットのようなものには液体窒素が入っていた!これを、ボウルにあけたミルクに注ぎ、ひたすらかき混ぜる!5分間くらいだったろうか、レストランのゲストが大盛り上がりとなったのは言うまでもない。おもしろいプレゼンテーションだ。

そろそろ出来上がったかな・・ 
何が出来るのだろうと、皆ワクワク。

完成品。焼きパイナップルにオレンジと液体窒素で凍らせたアイスクリームを添えて 
完成品。焼きパイナップルにオレンジと液体窒素で凍らせたアイスクリームを添えて

出来上がってみればアイスクリームなのだけれど、レストラン中を巻き込んだ劇場型料理は、一見の価値のあるものだった。

そして、カメリエーレとソムリエ・マッテオ氏から、パートナーへ。

パートナーへのサプライズケーキ 
サプライズのバースデイケーキ。BUON COMPLEANNO とイタリア語で書いてくれているところが嬉しい!ナッツの味のしっかりとした、こちらはクラシックなケーキだった。ベリーがアクセントに添えられている。

食後のエスプレッソで一服
食後は、エスプレッソで。

こうして、ミストラルの夜は更けていった。新しい味覚との出会いは、新しい1年のはじまりのように感じた。その前に味わった、クラシックなイタリアンもとても美味しかったのだけれど、たまにはこういう実験的料理も面白いかもしれない。その辺の新しさが評価されて、ミシュランの星が与えられたのかもしれない。

食後はいつものパノラマ・ホールで、クラシックの生演奏を聴きながらカクテルをいただいた。

嬉しいことにパートナーのために演奏を 

嬉しいことにパートナーのために HAPPY BIRTHDAY を演奏してくれた!

マダムがイタリア語で歌ってくれた 
そして、毎日会うマダムが、パートナーのためにイタリア語で HAPPY BIRTHDAY を歌ってくれた!肩を組み合って。

Tanti Auguri a te♪
Tanti Auguri a te♪
Tanti Auguri a パートナー♪
Tanti Auguri a te~!

ミストラルでのおもてなしも良かったけれど、この夜の、このマダムや3重奏の皆さんからの祝福が、何よりも嬉しかった。そしてパートナーの誕生日は、午前1時近くまで楽しんだ。

スペシャルな場所での、スペシャルな記念日。きっと、いつまでも忘れないだろう。


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グランド・ホテル・ヴィラ・セルベッローニの素敵なヴァカンス [イタリア旅行記]

寒くなってきたので、そろそろ南イタリアへ行きたいと思ったのだけれど、北イタリアも途中なので、コモ湖の宝石と言われるベッラージョ (Bellagio) にある、グランド・ホテル・ヴィラ・セルベッローニ (Grand Hotel Villa Serbelloni) について書くことにします。今回は、その第1回で、施設編。レストランの紹介は、改めて書きます。

ロケーションについては、ホテルの公式ページの説明が分かりやすいので、引用します。

当ホテルは、コモ湖の青に山の緑が寄り添う 美しい風景を前にし、湖の中央まで突き出た岬の上に建つという絶好のポジションを占めています。そしてここのイタリア式庭園には、この地域の温暖な気候と 年間を通じて注がれる太陽の光に恩恵を受け、地中海と亜熱帯地域のエッセンスが満ち溢れた植物が沢山生い茂っています。ずっと昔から「平穏のオアシス」としてバカンスの目的地となってきたこの自然環境に恵まれたベッラージョに、1850年前後、ミラノの貴族一家のために豪華な湖畔のヴィッラの建設作業が始まりました。これが当ホテルの前身です。

実際ヴィラ・セルベッローニは、貴族的な趣味に支えられているホテルだけれど、その非日常空間の演出や自然は素晴らしいものがあり、一度足を踏み込んだら、ずっとここにいたい、と思わせるものがある。

ミラノからは色々なルートで行くことができるけれど、僕たちはレンタカーを借りてコモ湖のドライブを楽しみながら行くことにした。ミラノ→コモ→ベッラージョという道のり。前半はアウトストラーダA9を使い、コモからは湖沿いにベッラージョを目指すというルートとなる。

00.1.アウトストラーダA9を北へ.JPG

アウトストラーダA9を走るのは15年ぶりだけれど、車線も広く快適で走りやすい。ミラノからコモへは、1時間くらいで到着する。

00.2.ベッラージオへの道.JPG

コモ市内から、ベッラージョを目指す。

00.3.湖畔をドライブ.JPG

湖畔を、のんびりドライブ・・・そう思っていたのだけれど・・・

00.4.しかし道が狭いので注意.JPG

途中から、極端に道が狭くなる。しかも対面通行で、崖の上のワインディングロードを走る必要がある。なかなか勇気の要る道だ。パートナーは機嫌良くドライブしていたけれど、僕はひやひやだった。剛胆のパートナー。いわく「細い道ほど勢いよく中央寄りを走るの。カーブでも!そうすれば、相手が止まってくれる。で、すれ違う時だけブレーキを踏むのよ。」

それでも、コモからベッラージョへは1時間半くらいかかったと思う。しかしヴィラ・セルベッローニへ到達するのには、さらに試練がある。

00.5.セルベッローニへはパスワードが必要.JPG

レジデンス地区へのゲートがあり、ホテルから聞いたパスワードを入れないと進入できない。最初、それを知らなかったのでベッラージョの町中で迷ってしまった。幸い携帯が使えたので、ホテルに問い合わせて解決した。GPS は改めて書くけれど、日本から持って行った GARMIN nuvi 250W だ。これがなければ、到着は不可能だったかもしれない。

スリリングな道中ではあったけれど、その甲斐はあった。

01.Grand Hotel Villa Serbelloni.JPG

湖を一望できる、グランド・ホテル・ヴィラ・セルベッローニ。

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コモ湖でスターウォーズと出会う [イタリア旅行記]

今年の東急ジルベスターコンサートのテーマは、宇宙だった。カウントダウンに選ばれた曲はホルストの『惑星』より "Jupter" (木星)。ヒットした曲ではあったけれど、最初は何でかな、と思った。しばらく考えて、その理由が分かった。

そうか、今年は2010年。映画『2010年』では、2001年のジュピター・ミッションで木星に向かったディスカバリー号を追って、再度レオノフ号が木星へ向かったではないか。なるほど。

"Jupiter" によるカウントダウンは無事に成功し、Happy New Year! となった。ここで粋な取り計らいがあり、宇宙にいる野口飛行士から中継で、新年の1曲目のリクエストをもらうという一幕があった。彼が選んだ2010年最初の曲は、『美しく青きドナウ』。まさに、映画『2001年宇宙の旅』の世界だ、と思ったけれど、これは素晴らしかった。優雅な2010年の幕開けだ。

お正月にはミラノのドゥオーモを簡単に書いたけれど、今回のエントリーはその北のイタリア湖水地方をちょっとだけ旅してみたいと思う。

ミラノの北、アルプスの麓にある湖水地方。ここは冬場はマエストラーレ(ミストラル)が吹き荒れて、厳しい土地だけれど、夏はヨーロッパでも指折りの素晴らしい避暑地。あのジョージ・クルーニーも気に入って、3つも別荘を持っているらしい。ホテルも十分楽しいのだけれど、遊覧船でのんびり周遊するのも素敵だ。ゆったりした時間の流れるところ。

01.コモ湖.jpg

今回は、このコモ湖畔の町 Bellagio にある瀟洒な Grand Hotel Villa Serbelloni に4日間滞在したので、毎日をゆっくり過ごすことができたと思う。

さて、コモ湖とレッコ湖は「人」の字のようにつながっているけれど、湖畔の町をめぐる遊覧船が定期的に運行されている。この日は、天気が割と良かったので、遊覧船に乗ってコモ湖を一回りしよう、ということになった。Bellagio → Tremezzo → Lenno → Lezzeno → Isola Comacina → Argegno → Brienno → Nesso → Careno → Pognana L. → Faggeto L. → Urio → Torno → Blevio → Cernobbio → Tavernola → Como。片道、2時間半くらい。これを往復だけれど、1日有効の周遊券にしたので、色々な町に立ち寄ってみることができた。このチケットは、18ユーロだったと思う。丸一日遊べてこの料金だから、お得ではなかろうか。

14.若いカップルもラブラブ.JPG

岸辺では、若いカップルもラブラブでいい感じ。さすが、アモーレの国。

02.BELLAGIOの船着き場.JPG

Bellagio の船着き場。どこの船着き場も、デザインが統一されていてシックでいい。

03.コモ湖をこの船で周遊します.JPG

こんな感じの船で、湖を周遊する。

04.遊覧船の屋上デッキ.JPG

船には屋上デッキがあり、ここは湖が見渡せて、また爽やかな風が流れて、心地よい。

05.ラブラブです♪.JPG

歳を重ねても、こうありたいものです。

さて、そんな感じでのんびりと、湖畔の町を周遊しつつ景色を眺めていたら、Lenno を過ぎたあたりで近くの青年が、やおら一眼レフを取り出して、何かを撮ろうとしていた。

06.カメラで狙うは・・・.JPG

それは・・・

07.Villa del Balbianello-1.JPG

Villa del Balbianello(ヴィラ・デル・バルビアネッロ)。この Villa(ヴィラ、別荘)は対岸の Bellagio の方向に突き出た畔の先に建っている。1787年に、枢機卿 Angelo Maria Durini によって建てられたそうだ。現在も残る2つの塔は、修道院の教会の鐘楼だった。また、テラスがとても風光明媚で美しい。実はこの Villa は、数々の映画撮影の舞台となった。最近の映画ロケでは、『スターウォーズ・エピソード2』、『オーシャンズ12』、『007カジノ・ロワイヤル』など。

なるほど。まさに deja vu。予備知識なしに行ったのだけれど、パートナーと「これは絶対スターウォーズだよ!」とはしゃいでいた。

と思って、家に帰ってから、『スターウォーズ・エピソード2』を確認してみた。そう、惑星ナブーのシーンだ。アナキンとアミダラ姫が愛をはぐくんだ場所。

08.スターウォーズEP2-1.JPG
(C) Lucasfilm Ltd. Digital work by ILM.

確かに、そっくり。いや ILM の VFX の技術がますます凄いのは分かったけれど、現地のあのロマンティックな雰囲気がよく出ているように感じた。

さらに、

09.Villa del Balbianello-2.JPG

反対側にまわりこんでみた。

10.スターウォーズEP2-2.JPG
(C) Lucasfilm Ltd. Digital work by ILM.

これも、夕暮れの感じがよく出ている。かなり手が加えられていることが分かる。

イタリアを旅していると、ところどころで deja vu(既視感)のようなものを感じたのだけれど、これは単に昔の旅行を思い出しているのではなく、色々な映画で出会っていたからなのかもしれない。

11.湖畔の岸辺のベンチでジェラートを.JPG

こんな湖畔の岸辺のベンチに座って、美味しいジェラートを食べるのも悪くない。

13.水鳥ものんびり.JPG

近くでは、水鳥たちがのんびりと泳いでいる。

船はやがて Bellagio に帰ってきた。

12.湖上から見る Grand Hotel Villa Serbelloni.JPG

遠くから、宿泊している Grand Hotel Villa Serbelloni が見える。

このホテルは、本当に素晴らしい。お金はかかるけれど、それ以上のぜいたくを味わわせてくれる。それについては、また改めて書きたいと思う。パートナーの誕生日を祝ったホテルだけれど、そのディナーや人々との出会いを含めて。


Villa del Balbianello


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ミラノのドゥオーモ [イタリア旅行記]

明けまして、おめでとうございます。清々しい青空となった東京の元旦ですが、今年もよろしくお願いいたします。

さて今年最初のエントリーは、青空とともに、今年も上向きに行きたいということで、ミラノのドゥオーモにしました。気分は、富士山です。

01.ミラノのドゥオーモ1.JPG

青空にそびえ立つ、ミラノのドゥオーモ。世界最大のゴシック建築であり、聖堂の広さとしてもヴァチカンのサンピエトロ大聖堂に次ぐ世界第2位の大きさを誇っている。5世紀をかけて建築されたらしい。

今回の旅のお供は RICOH CX1 というコンパクトデジカメ。でも、このデジカメはマニュアルでの設定がワンタッチで呼び出せるなど、なかなか使い込みたくなる機能が満載で、使うほどに惚れてくる魅力がある。電子水準器も搭載している。

02.ダイナミックレンジダブルショットモード.JPG

焦点距離 28mm。感度 ISO-80。絞り F5。シャッター速度 1/570 秒。

おなじみ、ドゥオーモのファサード。これはカメラの通常モードではなく、実は「ダイナミックレンジ・ダブルショット・モード」という特殊な機能を使って撮影した。この機能(DRモード)は、露出が異なる2枚の静止画を高速で連続撮影して、それぞれの適正露出部分を合成することにより、1枚の写真の奥行き(ダイナミックレンジ)を拡大しようという RICOH 独自のもの。レスポンスの早い CX1 ならではの機能と言える。(このカメラには、640x480ピクセルの解像度なら、秒間 120 コマを撮影する機能まである!)

ちなみに、このモードを使わないで、通常モードで撮影をすると以下のような写真になる。

03.通常モード.JPG

焦点距離 28mm。感度 ISO-80。絞り F5。シャッター速度 1/620秒。

ほとんど同じ時刻(午後3時前)に撮影し、絞りもシャッター速度もあまり変わらないのに、随分と印象が変わる。2枚目の写真の方が、実はシャッター速度が若干早く、暗く写っているはずなのだけれど、DR モードによって、1枚目の写真の方が明部・暗部の表現にすぐれ立体感が表現されていることが分かる。ちなみにミラノのドゥオーモは西側を向いているので、午前中は逆光となってあまり美しくない。午後2時過ぎあたりから、ファサードの彫りがよく見えるようになってくるので、写真を撮られる方がいらっしゃったら、この時間帯をお勧めしたい。

この夏の旅行では、この DR モードが大活躍した。何しろ快晴が続いていたので、暗部と明部の描き分けが必要だったから。「コンデジにはコンデジの戦い方がある」みたいな感じだろうか。

さて、このドゥオーモは屋上に上ることが出来る。階段なら3.5ユーロ、エレベーターなら5ユーロといった感じだったと思う。この頃は、まだ太っていなかったので、迷うことなくエレベーターを。イタリア人は商売上手だなと思う。

04.ドゥオーモの屋上へのチケット.JPG

チケットを入れて、エレベーターへ。レトロっぽい機械は、駅の刻印機を思わせる。

04.ドゥオーモの屋上.JPG

屋上はこんな感じで、本当に屋根の上。これらが全て大理石で出来ていると思うと、すごい。

05.ドゥオーモの屋上からの景色.JPG

ファサードの上から見た広場の向こうの景色。この建物は、ミラノの中でも一番高い部類に入るので、遠くまで見渡せる。

07.聖人達が街を見守る.JPG

「槍」のように見えていた尖塔は、実は聖人たち。四方から、この街を見守っている。

06.黄金のマリア像も近くに.JPG

ドゥオーモの最先端にあるのは、金のマリア像。昔は、このマリア像よりも高い建物を建ててはいけない、とされていたそうだ。

さて、下に降りてみる。

09.壁には大理石のレリーフが施されている.JPG

ファサードの壁一面にこのようなレリーフが施されている。美しい。

ドゥオーモの中に入ってみる。

12.世界で2番目に大きいドゥオーモの内部.JPG

世界で2番目の広さというだけあって、奥行きがとても深い。荘厳な感じがする。

11.キャンドルが捧げられる.JPG

ところどころ、キャンドルが捧げられている。1ユーロでキャンドルを購入して、僕たちもお祈りをしてきた。家族の幸せを願いながら。

10.ドゥオーモの内部.JPG

ドゥオーモの最深部。厳粛なイメージ。

さて、再び外に出てみる。

08.広場は意外と広いです.JPG

ドゥオーモの前の広場は意外と広い。手前には、ヴィットリオ・エマヌエーレ2世の騎士像がある。この方は、イタリアを統一した初代国王。ガッレリアが有名だけれど、イタリアのいたるところでこの名前にちなんだ地名や建物などがある。

13.夜のドゥオーモ・ライトアップ.JPG

夜のドゥオーモも、ライトアップされている。夏ということもあるのだろうけれど、広場には、夜遅くまで人々がたくさんいた。

そして、ここまでが9月初旬のドゥオーモなのだけれど、1ヶ月後。

15.1ヶ月後の10月03日のドゥオーモ.JPG

2009/10/03。青空に映えるドゥオーモ。まだまだ夏の名残があるけれど、着る物は長袖に。実は、ミラノはこの2週間後あたりから寒波にみまわれ、氷点下にまで気温が下がったらしい。寒暖の差が激しいヨーロッパらしい。


MILANO / DUOMO



§

今年が皆様にとって、素晴らしい年となることをお祈りいたします。
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夜のヴァチカン [イタリア旅行記]

2009/9/26。レストランでのディナーの帰りに、ローマをそぞろ歩いていたら、とても美しい光景に出会った。

01.夜のサンタンジェロ城.JPG

夜のサンタンジェロ城。午後9時過ぎ。テヴェレ河に面したこの城は、昼間はもちろん美しいのだけれど、夜もライトアップされてとても美しくロマンティック。しばしたたずむ。

02.夜のヴァチカン.JPG

それから、夜のヴァチカンへ。ガイドブックには載っていないけれど、ここも夜が美しい。サンピエトロ広場で、美味しかったレストランの余韻を楽しみながら、三日月と大聖堂の夜景を堪能。

05.ヴァチカンの噴水.JPG

噴水もライトアップされていて美しい。このあたりの演出は、ヨーロッパの人はうまいなと思う。

しばし夜のローマを楽しんだ後、ホテルへの帰路。

06.ローマっ子は夜もジェラート.JPG

ジェラート屋の前。ローマっ子は、夜もジェラートを楽しむ。よく見ると、シスターも並んでいる。午後9時30分。ローマの一日が終わろうとしている。


ROMA / VATICAN



§

これらの写真は、ほとんどが ISO 800。やっぱりザラついてしまう(ぜいたく、かな?)。今思えば、ISO感度は最高で 400(できれば 200)までに制限をし、若干露出アンダー気味で撮影すれば、もっと美しく撮れたのかもしれない。

あぁ、デジタル一眼レフがあったら、、、と思ったけれど、この美しい光景は、記憶に深くとどめておくことにした。でないと、旅が面倒になってしまうかもしれないと思ったから。とはいえ、9,000枚の写真の整理もまだまだで、これらが公開されるのは来年になってしまうだろう。でも、マイペースで続けて行きたいと思う。

ちなみに、イタリアではデジタル一眼レフ率がとても高い。100% が日本製だった。キャノン、ニコン、パナソニック、ペンタックス。僕は RICOH CX1 を、この旅のお供にした。なんだかんだ言って、いいパートナーだ。

§

今年は更新が滞り気味でしたが(いつもか!?)、それにも関わらず、多くの方に見に来ていただきました。またフォローをしていただきました。ありがとうございました。

来年も、ワインと趣味の記録を続けて行きたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

良いお年を、お迎えください。
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イタリアから帰国 [イタリア旅行記]

少し前になるけれど、イタリアから無事に帰ってくることができた。帰ってくることができた、というよりも、まだまだイタリアに居たいと思っていたのが、本音のところなのだけれど、1ヶ月ではとても足りなかった。パートナーも同感のようだ。でも、当初予定の倍くらいのスケールの旅ができたように思う。

訪れた町は、ミラノ、コモ湖周遊、ヴェネツィア、ムラーノ島、フィレンツェ、シエナ、キャンティ、ピエンツァ、モンタルチーノ、モンテプルチアーノ、ローマ、ソレント、カプリ島、ポジターノ、アマルフィ、サンタガタ、ナポリ、イスキア島、そしてミラノという感じで、北から南まで割とまんべんなく回ることができたと思う。

使った交通機関も、国際線の飛行機をはじめとして、国内線、レンタカー、地下鉄、路線バス、観光バス、タクシー、トラム、水上バス(ヴァポレット)、ゴンドラ、水中翼船(ジェット)、馬車、周遊鉄道、エウロスター(ユーロスター)、ケーブルカー(フニコラーレ)、プルマン、、、などなど様々な乗り物を利用し楽しんできた。レンタカーだけでも、1,000km走ったので、かなりの移動距離だったのかもしれない。

撮影した写真も、手元に 9,000 枚もあり(これでも半分に減らした)、これから整理をしようと思っているところ。

とりあえず、雰囲気だけ感じてもらいたくて、適当に写真を選んで掲載することにしました。旅のトピックは、これから少しずつ掲載をしていこうと思っています。あまりに膨大な体験だったので、全てを書くことはできませんが。

1-2.JPG
ミラノのドゥオーモの白は、青空に映える。

2.JPG
コモ湖畔にある、素敵なヴィッラ(Villa del Balbianello)。実は、『スターウォーズ・エピソード2』でアミダラ姫とアナキンのロマンチックなシーンが撮影されたロケ地でもある。一説には、『カジノ・ロワイヤル』にも出てくるらしい(未確認)。コモ湖のヴァカンスは最高だと思う。

3.JPG
ヴェネツィアのお勧めのトラットリア。ここはヴェネツィア島の迷宮を歩き回って、パートナーが直感で見つけたお店。やっぱり、足で稼いで見つけたお店は素晴らしい。

4.JPG
フェニーチェ歌劇場。ここの、LA TRAVIATA(『椿姫』)は、現代演出だったけれど、とても素晴らしいものだった。3列目の中央で観られた幸運は、ネットを駆使した結果手に入れたものだった。

5.JPG
シエナのドゥオーモの内部。ミラノと同様、ゴシック建築だけれど、個人的にはこちらの方が好み。床に張り巡らされた大理石の絵が圧巻。

6.JPG
モンタルチーノへ向かう。トスカーナのドライブは、本当に気持ちがよく楽しくて、パートナーも喜んで運転をしていた。

7.JPG
収穫間近の、ブルネッロ(サンジョヴェーゼ・グロッソ)。このブドウから、偉大なワインであるブルネッロ・ディ・モンタルチーノが生まれる。この気候の良さとコンディションから見て、2009年のヴァンダンジュは、とても素晴らしいものになりそうだ。

8.JPG
収穫したブドウを運ぶトラック。牧歌的風景。

9.JPG
青木先生にアレンジしてもらった、Terra Bianca(テッラ・ビアンカ)。素晴らしいキャンティやスーパートスカーナを作っている。また、オリーブオイルや、食材など、ワイン以外のものも色々作っている。美しい醸造所内部を含めて、詳しく説明をしてもらえた。また8種類ものワインをテイスティングさせてもらった。先生に感謝です。

a.JPG
ローマの焼き栗。秋は、焼き栗が恋しくなるし、郊外に行けば栗がいたるところに落ちているのだけれど、意外と売っているお店が少ない。イタリア人は、あまり食べないのだろうか??

b.JPG
サンタンジェロ城。このお城は、昼見ても、夜見ても、美しい。12月にオペラ『トスカ』を観劇にいく予定なのだけれど、その舞台となったのがこのお城。

c.JPG
カプリ島の断崖絶壁の景色。カンパーニャには、こういうところが多い。海がエメラルドグリーンで美しい。

d.JPG
「7番目の天国」という名前のソレントのホテルの部屋から見える絶景。テラスでのんびりするのも楽しい。夜景もまた、一段と美しい。潮騒やカモメの声が遠くに聞こえる。

e.JPG
イスキア島の温泉庭園、ジャルディーニ・ポセイドン・テルメ。ここは、温泉というよりは、リゾートという感じ。水着着用で、20カ所ある様々な温泉につかったり、甲羅干しをしたり、プライベートビーチで遊んだり、カクテルを飲んだりと、景色の美しさもあいまって、天国のようなところ。実はパートナーが少し風邪気味だったのだが、すぐに快復し、効能を実感。

f.JPG
お気に入りの、ナポリ、サンタルチア地区にある卵城。ホテルの部屋から撮影したもの。ナポリでは、名画『マカロニ』を巡る旅もしてみた。

g.JPG
ミラノ、スカラ座。午後8時にオペラが上演される、その直前。紳士淑女が集うオペラの殿堂。

h.JPG
飛行機で、一路、日本へ。なにか、寂しい気持ち。夢のような1ヶ月。またイタリアへ帰りたい。あぁ、でもお金をためなくちゃ(笑)。というか、ダイエットをしないと!(毎日美味しいイタリアン三昧で、かなり太りました)
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