グランド・ホテル・ヴィラ・セルベッローニの素敵なヴァカンス [イタリア旅行記]
寒くなってきたので、そろそろ南イタリアへ行きたいと思ったのだけれど、北イタリアも途中なので、コモ湖の宝石と言われるベッラージョ (Bellagio) にある、グランド・ホテル・ヴィラ・セルベッローニ (Grand Hotel Villa Serbelloni) について書くことにします。今回は、その第1回で、施設編。レストランの紹介は、改めて書きます。
ロケーションについては、ホテルの公式ページの説明が分かりやすいので、引用します。
実際ヴィラ・セルベッローニは、貴族的な趣味に支えられているホテルだけれど、その非日常空間の演出や自然は素晴らしいものがあり、一度足を踏み込んだら、ずっとここにいたい、と思わせるものがある。
ミラノからは色々なルートで行くことができるけれど、僕たちはレンタカーを借りてコモ湖のドライブを楽しみながら行くことにした。ミラノ→コモ→ベッラージョという道のり。前半はアウトストラーダA9を使い、コモからは湖沿いにベッラージョを目指すというルートとなる。
アウトストラーダA9を走るのは15年ぶりだけれど、車線も広く快適で走りやすい。ミラノからコモへは、1時間くらいで到着する。
コモ市内から、ベッラージョを目指す。
湖畔を、のんびりドライブ・・・そう思っていたのだけれど・・・
途中から、極端に道が狭くなる。しかも対面通行で、崖の上のワインディングロードを走る必要がある。なかなか勇気の要る道だ。パートナーは機嫌良くドライブしていたけれど、僕はひやひやだった。剛胆のパートナー。いわく「細い道ほど勢いよく中央寄りを走るの。カーブでも!そうすれば、相手が止まってくれる。で、すれ違う時だけブレーキを踏むのよ。」
それでも、コモからベッラージョへは1時間半くらいかかったと思う。しかしヴィラ・セルベッローニへ到達するのには、さらに試練がある。
レジデンス地区へのゲートがあり、ホテルから聞いたパスワードを入れないと進入できない。最初、それを知らなかったのでベッラージョの町中で迷ってしまった。幸い携帯が使えたので、ホテルに問い合わせて解決した。GPS は改めて書くけれど、日本から持って行った GARMIN nuvi 250W だ。これがなければ、到着は不可能だったかもしれない。
スリリングな道中ではあったけれど、その甲斐はあった。
湖を一望できる、グランド・ホテル・ヴィラ・セルベッローニ。
広大な庭園を控え、湖に面したこのホテルは自然との調和を保ちながら、威風堂々としていた。プライベートボートの発着場まである。
湖の手前には屋外プールがある。
レセプションはシンプルだけれどエレガント。
豪華な階段で部屋へ向かう。
廊下のところどころに、オブジェや、絵が飾られている。
パノラマホール。ここは、昼はカフェとして、ディナーの前にはウェイティングバーとして、食後はバーとして利用した。夜の8時から12時までヴァイオリン、コントラバス、ピアノの三重奏による生演奏がある。隣にあるリストランテ・ラ・テラッツァのBGMは、この生演奏だ。
ロイヤルホールは、朝食に使われている。湖を見渡せるこのホールでの朝食は、究極の優雅さだ。
ホテルのメインダイニング、ラ・テラッツァ。湖を一望できるオープンエア形式(ガラス張り)のリストランテ。
同じく湖を一望でき、プールサイドにあるリストランテ・ミストラル。ここは、ホテルの説明ではカジュアルなリストランテとなっているけれど、ミシュランの星を取ったのはこちらの方。両方を食べ比べしてみて、僕とパートナーは誕生日にはこちらのリストランテを選んだ。ソムリエの、マッテオ氏を気に入ったというのもあるけれど。
ロレックスのショップも併設されているところが、すごい。チューリッヒ空港にもないのに。
ホテルへの予約時には、僕は次の3つの要望を出していた。
1.同一グレードの部屋の中では最上階にあること
2.湖が一望できる部屋であること
3.本館であること(セルベッローニには本館しかないが)
たいした要望でもないのだけれど、あらかじめ伝えておくと、無用なトラブルは避けることができる。結果として、最上階の60平米くらいの部屋に宿泊することができた。
テーブルの上を見ると、メッセージカードとワインが置いてあった。
シャンパンとフルーツがあるホテルは珍しくないけれど、赤ワインを用意しているホテルは初めてだった。なぜかプーリア州のプリミティーボ種のワイン。イタリアの北限に近いから、南への憧れがあるのだろうか。でも、重厚感あるしっかりした赤は、なかなか美味しかった。
机の上の蘭が美しい。
窓の外はコモ湖。ベランダに出ると、ほのかに潮の香りがする。カモメが飛んでいる。
羽毛のベッドは、可愛らしい感じだけれど、快適。
バスルームにはジャグジーバスとシャワーブースがあるけれど、かなり広い。ついでに、ウォークインクローゼットもあった。
アメニティはETROで統一されていた。
バルコニーから見た風景は、
こんな感じで、まさに大自然。夜は対岸の町の夜景が美しい。
ヨーロッパに行くと思うのは、グレードの高いホテルやレストランはペット連れOKのところが多いということ。ちなみにペットを部屋に置いて出かける場合に、「ペットがいます」札をドアノブにかけておく。ありすやそらを連れてきたかった!とは思わないけれど。
パノラマホールの昼下がりには、このようにのんびり、読書をしている方もいる。このホテルのゲストは、だいたい50代から60代の方が多かったように思う。イタリアの人が多く、あとイギリスやスイス、ドイツ、フランスといった感じで、滞在中、日本の方とは一度も出会わなかった。帰りにレセプションの人に聞いたら、1~2年前くらいから日本人が減ってしまったらしい。今は、月に1組とか?意外。
パノラマホールでは、上に書いたように、毎晩、三重奏の生演奏がある。ホールは広いので、食後酒をここで楽しみながら音楽を聴いてもいいし、ダンスを踊ってもいい。実際、とても上手に踊られているご夫妻がおり、毎晩華麗なダンスを披露していた。僕も、もうちょっと練習を積んでおけばよかった。また、着物姿のパートナーにコントラバスの男性がウィンクをして、"Sukiyaki" (「上を向いて歩こう」)を演奏してくれた。毎晩、1回は演奏してもらっていたような気がする。もちろん、リクエストもOK。クラシックから、Jazz、イタリア民謡までとても幅広いレパートリー。ちょっとした社交場だ。
このご婦人とは毎晩お会いして、会話を楽しんだのだけれど、パートナーの着物をたいそう気に入っていただいた。Bellissimo という最大の賛辞と共に。
館内には子供達の遊び場もあって、フーズボールも置いてあった。いや、大きくなった子供達のためなのかもしれない。
暮れゆくコモ湖。部屋からの風景。
さて、旅行を予定されている方には、公式ホームページを見ていただくこととして(笑)、このホテルには広大な庭園のほか、エステティックサロンや、スパ、洞窟のプール、フィットネスセンター、テニスコート、ハイドロ・セラピー、ジャグジーバス、プライベートボートなどなど、何日いても飽きない仕組みが用意されている。もちろん、有線LANだけれどインターネット接続も完備している。
残念ながら、今は、このホテルに行くことができない。なぜならば、11月から3月末まで休館しているからだ。その間、あの大勢のスタッフの方々が、どうしているのかは知らないけれど、ここでのヴァカンスはとても貴重だと今は思う。
大きな地図で見る
ロケーションについては、ホテルの公式ページの説明が分かりやすいので、引用します。
当ホテルは、コモ湖の青に山の緑が寄り添う 美しい風景を前にし、湖の中央まで突き出た岬の上に建つという絶好のポジションを占めています。そしてここのイタリア式庭園には、この地域の温暖な気候と 年間を通じて注がれる太陽の光に恩恵を受け、地中海と亜熱帯地域のエッセンスが満ち溢れた植物が沢山生い茂っています。ずっと昔から「平穏のオアシス」としてバカンスの目的地となってきたこの自然環境に恵まれたベッラージョに、1850年前後、ミラノの貴族一家のために豪華な湖畔のヴィッラの建設作業が始まりました。これが当ホテルの前身です。
実際ヴィラ・セルベッローニは、貴族的な趣味に支えられているホテルだけれど、その非日常空間の演出や自然は素晴らしいものがあり、一度足を踏み込んだら、ずっとここにいたい、と思わせるものがある。
ミラノからは色々なルートで行くことができるけれど、僕たちはレンタカーを借りてコモ湖のドライブを楽しみながら行くことにした。ミラノ→コモ→ベッラージョという道のり。前半はアウトストラーダA9を使い、コモからは湖沿いにベッラージョを目指すというルートとなる。
アウトストラーダA9を走るのは15年ぶりだけれど、車線も広く快適で走りやすい。ミラノからコモへは、1時間くらいで到着する。
コモ市内から、ベッラージョを目指す。
湖畔を、のんびりドライブ・・・そう思っていたのだけれど・・・
途中から、極端に道が狭くなる。しかも対面通行で、崖の上のワインディングロードを走る必要がある。なかなか勇気の要る道だ。パートナーは機嫌良くドライブしていたけれど、僕はひやひやだった。剛胆のパートナー。いわく「細い道ほど勢いよく中央寄りを走るの。カーブでも!そうすれば、相手が止まってくれる。で、すれ違う時だけブレーキを踏むのよ。」
それでも、コモからベッラージョへは1時間半くらいかかったと思う。しかしヴィラ・セルベッローニへ到達するのには、さらに試練がある。
レジデンス地区へのゲートがあり、ホテルから聞いたパスワードを入れないと進入できない。最初、それを知らなかったのでベッラージョの町中で迷ってしまった。幸い携帯が使えたので、ホテルに問い合わせて解決した。GPS は改めて書くけれど、日本から持って行った GARMIN nuvi 250W だ。これがなければ、到着は不可能だったかもしれない。
スリリングな道中ではあったけれど、その甲斐はあった。
湖を一望できる、グランド・ホテル・ヴィラ・セルベッローニ。
広大な庭園を控え、湖に面したこのホテルは自然との調和を保ちながら、威風堂々としていた。プライベートボートの発着場まである。
湖の手前には屋外プールがある。
レセプションはシンプルだけれどエレガント。
豪華な階段で部屋へ向かう。
廊下のところどころに、オブジェや、絵が飾られている。
パノラマホール。ここは、昼はカフェとして、ディナーの前にはウェイティングバーとして、食後はバーとして利用した。夜の8時から12時までヴァイオリン、コントラバス、ピアノの三重奏による生演奏がある。隣にあるリストランテ・ラ・テラッツァのBGMは、この生演奏だ。
ロイヤルホールは、朝食に使われている。湖を見渡せるこのホールでの朝食は、究極の優雅さだ。
ホテルのメインダイニング、ラ・テラッツァ。湖を一望できるオープンエア形式(ガラス張り)のリストランテ。
同じく湖を一望でき、プールサイドにあるリストランテ・ミストラル。ここは、ホテルの説明ではカジュアルなリストランテとなっているけれど、ミシュランの星を取ったのはこちらの方。両方を食べ比べしてみて、僕とパートナーは誕生日にはこちらのリストランテを選んだ。ソムリエの、マッテオ氏を気に入ったというのもあるけれど。
ロレックスのショップも併設されているところが、すごい。チューリッヒ空港にもないのに。
ホテルへの予約時には、僕は次の3つの要望を出していた。
1.同一グレードの部屋の中では最上階にあること
2.湖が一望できる部屋であること
3.本館であること(セルベッローニには本館しかないが)
たいした要望でもないのだけれど、あらかじめ伝えておくと、無用なトラブルは避けることができる。結果として、最上階の60平米くらいの部屋に宿泊することができた。
テーブルの上を見ると、メッセージカードとワインが置いてあった。
シャンパンとフルーツがあるホテルは珍しくないけれど、赤ワインを用意しているホテルは初めてだった。なぜかプーリア州のプリミティーボ種のワイン。イタリアの北限に近いから、南への憧れがあるのだろうか。でも、重厚感あるしっかりした赤は、なかなか美味しかった。
机の上の蘭が美しい。
窓の外はコモ湖。ベランダに出ると、ほのかに潮の香りがする。カモメが飛んでいる。
羽毛のベッドは、可愛らしい感じだけれど、快適。
バスルームにはジャグジーバスとシャワーブースがあるけれど、かなり広い。ついでに、ウォークインクローゼットもあった。
アメニティはETROで統一されていた。
バルコニーから見た風景は、
こんな感じで、まさに大自然。夜は対岸の町の夜景が美しい。
ヨーロッパに行くと思うのは、グレードの高いホテルやレストランはペット連れOKのところが多いということ。ちなみにペットを部屋に置いて出かける場合に、「ペットがいます」札をドアノブにかけておく。ありすやそらを連れてきたかった!とは思わないけれど。
パノラマホールの昼下がりには、このようにのんびり、読書をしている方もいる。このホテルのゲストは、だいたい50代から60代の方が多かったように思う。イタリアの人が多く、あとイギリスやスイス、ドイツ、フランスといった感じで、滞在中、日本の方とは一度も出会わなかった。帰りにレセプションの人に聞いたら、1~2年前くらいから日本人が減ってしまったらしい。今は、月に1組とか?意外。
パノラマホールでは、上に書いたように、毎晩、三重奏の生演奏がある。ホールは広いので、食後酒をここで楽しみながら音楽を聴いてもいいし、ダンスを踊ってもいい。実際、とても上手に踊られているご夫妻がおり、毎晩華麗なダンスを披露していた。僕も、もうちょっと練習を積んでおけばよかった。また、着物姿のパートナーにコントラバスの男性がウィンクをして、"Sukiyaki" (「上を向いて歩こう」)を演奏してくれた。毎晩、1回は演奏してもらっていたような気がする。もちろん、リクエストもOK。クラシックから、Jazz、イタリア民謡までとても幅広いレパートリー。ちょっとした社交場だ。
このご婦人とは毎晩お会いして、会話を楽しんだのだけれど、パートナーの着物をたいそう気に入っていただいた。Bellissimo という最大の賛辞と共に。
館内には子供達の遊び場もあって、フーズボールも置いてあった。いや、大きくなった子供達のためなのかもしれない。
暮れゆくコモ湖。部屋からの風景。
さて、旅行を予定されている方には、公式ホームページを見ていただくこととして(笑)、このホテルには広大な庭園のほか、エステティックサロンや、スパ、洞窟のプール、フィットネスセンター、テニスコート、ハイドロ・セラピー、ジャグジーバス、プライベートボートなどなど、何日いても飽きない仕組みが用意されている。もちろん、有線LANだけれどインターネット接続も完備している。
残念ながら、今は、このホテルに行くことができない。なぜならば、11月から3月末まで休館しているからだ。その間、あの大勢のスタッフの方々が、どうしているのかは知らないけれど、ここでのヴァカンスはとても貴重だと今は思う。
大きな地図で見る
たくさんの画像!
私のお気に入りは・・・リストランテ・ミストラル!! ブルーが素敵です。
セレナ・サトクリフ女史が「イタリアのミシュランの星の評価に関してはわからないことが多い」と言っていましたが、このリストランテは間違いなさそうですね。コモ湖も良いですね~
by fumiko (2010-01-11 18:38)
青木先生、コメントをありがとうございます。
ここまでたどりつくのは、結構、大変だったのではないかと思います・・ ^^;
Google で今「セルベッローニ」で検索すると、なんと、この記事が
トップに来ます!公式ホームページの日本語版より上なのは微妙
ですが、マイナーなのでしょうかね。それだけに、やりがいがあったの
ですが、やりすぎました。
リストランテ・ミストラルは、船室をイメージしたそうです。なるほど
ブルー!確かに、差し色。夕刻なら、窓の外もブルーなので、
ウッドの温かいインテリアと合わせて、落ち着いた感じでセンスが
いいです。サーヴィスもラ・テラッツァよりも丁寧です。
(ラ・テラッツァにはソムリエすらいないのです・・・不思議なことに)
イタリアでのミシュランの星については、僕も正直言ってよく分からない
のですが、良い素材を用い、割とモダンで斬新なお店に点が集まる傾向に
あるようです。ミストラルはディナーで2度訪問しましたが、個人的には
「分子的料理」よりも、クラシカルな料理の方が安心して食べられました。
それについては、また、書きます。[食べログ]みたいに、写真が
いっぱいありますが・・・ご容赦を。
夏のヴァカンスに湖水地方、お勧めです!(ピエモンテの取材の帰りなどに
いかがでしょう)
by YUTAKA (2010-01-13 13:49)
ほりけんさん、チェックをありがとうございました。
パームスプリングス、絶景ですね!
僕も、カプリ島のフニコラーレ(ケーブルカー)の記事を
書いてみます。
by YUTAKA (2010-01-13 13:54)
憧れのリゾートですね。スターウォーズのEP2でしたか、結婚式の
場面が思い出されます。
着物持参だったとは、素晴らしいですね、何だか嬉しいです。
by hako (2010-01-17 21:00)
hako さん、チェック&コメントをありがとうございます。
コモ湖には、ヴィラ・デステとヴィラ・セルベッローニという2つの
5つ星ホテルがあるのですが、どちらでも素晴らしいヴァカンスだと
思います。hako さんなら、きっと素晴らしい写真を撮られるのでは
ないかなと思っています。ぜひ。
着物と帯は、各2枚ずつ持って行ったようです。毎日、ディナーに
行くこともあり、バリエーションが必要で。現地では、かなり好評
でした。オペラ観賞の時にも活躍しましたよ。
ヨーロッパの方は、自国の伝統文化を尊重している人に敬意を
表する傾向が強いなと感じています。
by YUTAKA (2010-01-17 22:02)