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我が家のエスプレッソ革命(ネスプレッソ・ラティシマ) [グルメ]

たとえば、
・Indriya インドリヤ
南インドのコーヒー農園、高い木の木陰に守られて、力強いインドリヤの個性が花開きます。インドリヤはこの土地で同じように生息しているペッパー(胡椒)、ナツメグ、グローブのような香りを思わせます。体中で感じる力強い味わい・・・。

・Rosabaya ロサバヤ
しっかりしたボディから立ちのぼる、フルーティなアロマ。ロサバヤには原産地の個性が強く現れています。その輝きと赤い果実が、高山の魅惑の世界へと誘います。みずみずしく、あざやかな味わい。

・Dulsao ダルサオ
どこまでもやさしく軽やか。蜂蜜、メープルシロップ、麦芽のようなまろやかさ。ダルサオに使用されているブルボン種のコーヒーは、天日干しされ、やわらかさとなめらかさが際立っています。官能的でとろけるような感覚。

この blog を見に来るワイン愛好家の皆さんだったら、興味を持たれる表現ではないだろうか。これはあるコーヒーの説明。コーヒーも香りが命、その味わいの緻密さとともに、ワインを思わせる奥深さがある。またブレンダーは、ボルドーやシャンパーニュを彷彿とさせるところがある。

さて、10年ほど前、コーヒー、特にエスプレッソに凝っていたことがあった。バリスタの教科書を買って勉強したり、エスプレッソマシンを買ったりして、美味しいエスプレッソを淹れることにこだわっていた。近所に、とてもこだわりのあるコーヒー豆専門店があり、そこでは世界各地のコーヒー豆を、生豆でも、指定した通りに焙煎してもらっても購入できたのが大きい。丁寧に選別された豆を手に入れることができた(選別こそ、美味しいコーヒーへの第一の条件だと、当時も今も思っている。ワインと似ているのではないだろうか)。

手鍋焙煎といって、自宅で生豆を必要なだけ焙煎し、それを3日ほど寝かせてから使うということもやっていた。

豆は、飲むときに必要なだけ挽く。余った粉はすぐに酸化してしまうからだ。当時、カッティング式の電動ミルを使っていたけれど、これは32段階で細かさを選べるので、エスプレッソ用にその都度微調整しながら使っていた。

さらにエスプレッソマシンで淹れるためには、タンピングといって粉をフィルターにつめて適度に押し固める作業がある。この力の掛け具合で抽出時の圧力が変化するために、かなり熟練が必要だった。強く押しすぎると粉が詰まりすぎて抽出圧力が高くなりすぎ、また抽出時間が長くなるので、雑味のあるエスプレッソとなってしまう。逆に弱すぎると、水っぽいエスプレッソになる。焙煎の具合と合わせて、とても試行錯誤の要求される作業だ。クレマという上層のクリーミィな泡の層の出具合も変わるし、そもそも粉の量も正確でなければならない。

それでも、自分でエスプレッソを淹れることにこだわっていたのは、もちろん自分の技を極めたいという気持ちがあったのと同時に、世界の豆を作って自由自在に、その日の気分で好きな味を実現できる、という夢やロマンがあったからだったと思う。

当時僕が買ったマシンは、それほど高いものではなかったけれど、最大15気圧で抽出が出来る点と、フィルター式とポッド式(イリーなどが出している簡易に淹れられる方式)の両方が使えるものだった。ちなみにポッドは、エスプレッソ1杯分に相当する約7gの焙煎した粉を紙パックに詰めたもので適度に圧縮されている。上に書いたような作業が不要なので、初心者でも簡単に扱うことができるけれど、ポッド自体を売っているお店が少なく、また種類も普通のエスプレッソと濃いめのエスプレッソ、といった感じで少なく選択肢が限られていた。ただ、素早くエスプレッソを飲みたい時には便利なので、両方が使えるマシンを選んだわけだ。

でも、いつかはラ・チンバリが欲しい!と思っていた。

数年、そんな感じで自宅で美味しいエスプレッソを淹れることにこだわっていたのだけれど、馴染みのコーヒー豆専門店の閉店とともに、その熱も急速に冷めてしまった。豆の入手が面倒になったことが大きかったと思う。それからは、ずっとポッド・・・冷凍庫にイリーのポッドの缶を冷凍して使っていた。

あれから10年近く経った去年の春、たまたま玉川高島屋SCに行って、ネスプレッソブティックに寄ってみた。この規格は、実は10年前も知っていたけれど(よくデパートのキッチン用品売り場の一角で試飲をしていたり)、ポッドと同様カプセルに縛られるのが嫌で、避けてきたものだった。

久しぶりに行ったネスプレッソは、TVCM でやっているのと同じおしゃれなブティックになっていて、カプセルの数も16種類と大量に用意されていることを知った。お店の人に細かく説明をしてもらい、春に新発売になったラティシマというフルオートマチック・カプチーノマシンに興味を持った。そして、カプチーノがとても簡単に淹れられることや、カプセルにもこだわりがあること、何よりそこで味わった数種のコーヒーがどれも美味しかったことから、即決して一式を買った。ラティシマ本体、カプセルを16種類(160杯分)、デミタスカップ、ルンゴカップ、レシピグラス、カプセル収納タワーなどなど。ポッドには飽き飽きしていたので、失うものはなかったと思う。

あれから1年近く経つけれど、それどころかラティシマは連日大活躍している。今までエスプレッソを淹れることのできなかったパートナーにも大好評だ。毎日4杯は淹れるし、1年で既に1,000杯以上は淹れたかもしれない(中毒かな?)。

01.ネスプレッソ・ラティシマ.JPG

なかなかおしゃれなネスプレッソ・ラティシマ。スイッチひとつで、エスプレッソ、ルンゴ(ヨーロピアンコーヒー)、カプチーノ、ラテマッキャートなどを淹れることができるフルオートマチック・エスプレッソ&カプチーノマシンだ。

03.最初にフォームドミルクが注がれる.JPG

まずカプチーノを淹れてみる。ラティシマはミルクタンクを搭載しており、カプセルをセットしスイッチを押すと、最初にフォームドミルクが注がれる。ミルクタンクは取り外し、そのまま冷蔵庫に保存できるので使い残しがあっても大丈夫。むしろ冷蔵庫で冷やしたミルクを使った方が、フォームドミルクが綺麗にできるように思う。またミルクタンクが空になったら、一式を食洗機で洗うことも可能。

04.次にエスプレッソ.JPG

続いて、自動的にエスプレッソが抽出される。

05.カプチーノの出来上がり.JPG

ボタンを押してから1分程度でカプチーノの出来上がり。あっという間だ。

ラティシマで淹れたカプチーノ

さて、エスプレッソの方は、もっと簡単。

06.エスプレッソを淹れる.JPG

カプセルをセットしてボタンひとつ20秒だ。まさに、エクスプレス!

07.エスプレッソの出来上がり.JPG

きちんとクリーミィなクレマの厚いエスプレッソの出来上がり。

カプセルは、冒頭に書いたようなものを含め、今発売されているのは、季節限定のシンガトーバや、フレーバーコーヒー3種を合わせると、20種類くらいある。エスプレッソやルンゴ(ヨーロピアンコーヒー)など、選ぶのに苦労しそうなくらいに、色々な味やスタイルを楽しめる。また、デカフェ(カフェインレス)のカプセルも充実しているのが嬉しい。寝る前に、デカフェでカプチーノ、なんてものもすぐにできるからだ。

08.ネスプレッソのカプセル.JPG

去年ミラノに行った時に、Via Bigli にネスプレッソ・ブティックがあるのを発見した。

09.Via Bigliにあるネスプレッソ・ブティック.JPG

ここでも、singatoba というスペシャルクラブ(季節限定のカプセル)を大々的に扱っていた。

10.ミラノでもsingatobaを売り出し中.JPG

試しにショップに入ってみて、イタリア人でごった返しているのを見て、ビックリした。スイス発のネスプレッソが、イタリア人にも熱烈に支持されているのを垣間見た感じだ。 マシンの種類も、日本より多かった。

 11.デロンギのロゴが入ったラティシマ.JPG

そして、見つけたのは DeLonghi(デロンギ)のロゴの入ったラティシマ。そうか、ラティシマってよく出来ているなと思ったら、デロンギが作っていたんだ・・・と気がついた。家に帰って、ラティシマの裏面を見たら “MADE IN ITALY” と書いてあった。

そんなわけで、紆余曲折を経て、我が家はネスプレッソ。カプセルは高いけれど(1杯70円~80円程度)、自宅で本格的なエスプレッソが手軽に淹れられることを思えば安いと思う。カフェモカなどのバリエーションコーヒーも、とても簡単だ。レシピを集めるのも楽しい。ブティックに行っては、バリエーションコーヒーを頼み、そのレシピも教えてもらっている。

詳しい説明が以下のサイトにあったので、最後に紹介をしておきます。コーヒーに見つける香りの探求、おもしろいですよ!

ネスプレッソ「ラティシマ」 ~“コーヒーマニア”の私が選んだフルオート・カプチーノマシン http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/longreview/0904_2/20090408_110486.html

ネスプレッソ「ラティシマ」 ~味わいのキーとなる“ミルクの扱い” http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/longreview/0904_2/20090416_125424.html

ネスプレッソ「ラティシマ」 ~気になるメンテナンスと楽しみ方 http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/longreview/0904_2/20090424_153644.html

ネスプレッソ「ラティシマ」 ~機能や趣向で選ぶ、それぞれのネスプレッソ http://kaden.watch.impress.co.jp/docs/longreview/0904_2/20090508_168061.html


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fumiko

コーヒーの香りの違いをチェックするのも、香り学習の良き題材ですよ。
ところで・・・
ネスプレッソ・ブティックのお店の前の方に見覚えがあるのですが(笑)

by fumiko (2010-01-16 01:48) 

YUTAKA

青木先生、チェック&コメントをありがとうございます。

熟成したシャンパンや、ブルゴーニュワインにコーヒーのニュアンスを
感じることがあります。特に、コート・ド・ニュイの赤や、ムルソーなどです。
(ここの blog にも書いた 1969 年のムルソー・シャルムにも感じました)
コーヒーとワインの相似性には、興味深いものを感じています。
もっともっと嗅覚の訓練をしたいです。

> ネスプレッソ・ブティックのお店の前の方に見覚えがあるのですが(笑)

さすが先生、よく見ていらっしゃいます!
by YUTAKA (2010-01-16 22:54) 

hako

なるほど、コーヒーにも相当、造詣が深いのですね。
香りが良いと味も良いというか、香りが満足感をもたらしているのかも
しれません。
ミラノ、暖かそうですね。
by hako (2010-01-17 20:22) 

YUTAKA

hakoさん、チェック&コメントをありがとうございます。

いえいえ、僕など素人ですから・・・
イタリアに行って、バリスタが素早く美味しいエスプレッソを淹れているのを
見て、結構、感動しました。やはり職人芸の世界ですね。

ミラノは、10月までとても暖かかったです。
今は雪が降って、なおかつ緯度が高いので、日照時間が短いので
なかなか厳しそうですが。でも、夏だけでなく、冬のヨーロッパも
一度体験してみたいなと思っています。
by YUTAKA (2010-01-17 21:46) 

artfuldodger

珈琲・・水の様に飲む程好きっで水出し珈琲やエスプレッソの機械も購入しましたっが長続きしない無精者です・・はい。
by artfuldodger (2010-02-09 08:25) 

YUTAKA

artfuldodgerさん、nice!&コメントをありがとうございます。

さすが、珈琲にも、こだわりを持っていらっしゃるようですね。
blog で、最新情報をチェックさせていただきます。
これからも、よろしくお願いいたします。
by YUTAKA (2010-02-09 10:21) 

ぷるたん

私もネスプレッソにして3年程になります。
モデルはLe Cube C185Tです。
これは素晴らしいですね。本格的なエスプレッソマシンも考えたのですが
かなりめんどくさいのとお手入れも大変です。
その点ネスプレッソは操作も簡単、お手入れも簡単。
フレーバーもたくさんあって、手軽にお好みのエスプレッソが頂けるので
ほぼ毎日愛用しております。
カプセルファウンテンも同じのを使ってます。
by ぷるたん (2010-03-12 00:06) 

YUTAKA

ぷるたんさん、nice!&コメントをありがとうございます。

ネスプレッソの、先輩ですね!
毎朝、毎晩、ネスプレッソは大活躍です。
当初16種類のカプセルを均等に買っていたのですが、
だんだん自分の好みや、シチュエーションに合わせた
カプセルの選び方が分かってきたような気がします。
本当に、美味しいエスプレッソですよね。
これからも、よろしくお願いします。
by YUTAKA (2010-03-18 09:21) 

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