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ソフィー・ミルマンの夜@Blue Note TOKYO [音楽]

2007/08/08 の夜、Sophie Milman(ソフィー・ミルマン)を聴きに青山の Blue Note TOKYO へ行ってきた。

Sophie Milman は、今、とてもホットな女性 Jazz シンガーだ。その若さにして美貌をあわせもち、どこかノスタルジックであり、なおかつ力強い歌声を聞かせてくれる。


Sophie Milman

僕は、Edith Piaf(エディット・ピアフ)の La Vie En Rose を探している最中に iTunes Music Store で彼女を知った。La Vie En Rose の人気ナンバーワンの歌い手が彼女だったからだ。試聴をしたら、とても心に響く声だったので、ダウンロードはせずに早速 amazon で、彼女の名前がクレジットされたファーストアルバム "Sophie Milman" を取り寄せた。

その後、marantz のアンプと英 B&W のスピーカーで構成された我が家の少しだけこだわりのあるオーディオシステムが、彼女の曲を奏で続けたのは言うまでもないが、iPod でもよく聴いていた。まだ 20 代前半とは思えない、その奥行きのある歌声にすっかり魅了をされてしまった。

彼女が何度か来日をしていたのは知っていたけれど、なかなか機会に恵まれず、ようやく今回の Blue Note TOKYO 公演でライブを聴きに行くことができた。

例によって、Blue Note TOKYO の階段を下りていくと、いやがおうにも鼓動が高まるのを感じる。

僕とパートナーは、2日目の 2nd の予約をしていたので、開場は 20:50、開演は 21:30 と割と余裕のあるタイムスケジュールだった。19:00 くらいに青山について、Blue Note のチェックインをすませた後、近くを散歩したり、カフェでくつろいで開場を待った。

割とチェックインが早めだったせいか、彼女の近くのテーブルを確保することができた。Jazz にふさわしいムーディな空間が広がる。

食事は Blue Note でと思っていたので、何も食べないできた。前菜(海の幸のプレート)、サラダ(大トロのグリルとグリーンのサラダ)、メイン(仔羊の香草パン粉焼き)に合わせて、アメリカンな感じを満喫するために、ワインは CLINE の ANCIENT VINES ZINFANDEL 2005 をボトルで頼んだ。まわりを見たら、こうガッツリ食べている人もあまりいない感じだったけれど、まぁいいかと思った。

このワインは、いわゆる濃い ZINFANDEL ではなく、割とエレガントな作り方をしてあり果実味と酸味、タンニンのバランスがよくスイスイと飲めてしまった。樹齢100年というのも驚きだ。フィロキセラ禍を逃れた珍しい土壌らしい。市場価格と比較しても、とても良心的な価格設定になっていたことを付け加えておく。

ところが、21:00 にはテーブルについていたもののお食事がサーヴィスされはじめたのが開演ちょっと前くらいだったので、後で、なぜ皆が食事をあまり取らないのかよく分かるはめになった。

前日の公演について、友達の女性 Jazz Vocal が今ひとつ不完全燃焼だったと言っていたので、2nd アルバム中心なのかなと思ったのだけれど、この日は違っていた。人気のある 1st アルバム、しっとりと落ち着いたつやのある 2nd アルバムから絶妙に曲がチョイスされていて、最初の1曲目から僕はステージに釘付けになってしまった。

Sophie Milman は、写真で想像していたよりもずっと小柄だった。しかし、その小さな体から、どうやって出てくるのかと思われるような、豊かでスケール感のあるノスタルジックなヴォイス、そして、きらきらした好奇心いっぱいの瞳が印象的だった。なにより、元気!これからも、とても楽しみだ。

08/08 の 2nd でも、10曲くらいは歌ったと思うのだけれど、覚えているのは以下の曲たち(初日とは全然違っているよう)。ちなみにこの順番で演奏されたわけではないので、注意。

Aqua De Beber
I Can't Give You Anything But Love, Baby
My Baby Just Cares For Me
Lonely in New York
Ochi Chernye (Dark Eyes)
people will say we're in love
something in the air between us
so long, you fool
(It's not easy) bein' green

パンチの効いた歌声、そして Tenor&Soprano Sax/Clarinet/Flute/Percussion(マルチ!)の Cameron Wallis、Piano の Paul Shrofel、Bass の Kieran Overs の演奏もとても息が合っていた。会場も、Sophie が何度も "Nice clap!" と叫ぶほど、ノリがよかった。僕も手が痛かったけれど。

Sophie は Cameron と時々ひそかな話をしていたけれど、途中、Paul とセサミ・ストリートの掛け合いをしたりして、おもしろくて僕も、思わず "It's Kermit!" と声をかけてしまうほどだった。(その後に、"bein' green" が演奏されたのは言うまでもない)

Sophie は、ロシア~イスラエル~カナダへと移住していった過去の様々な経験をもとに、自分の好きな歌をジャンルを問わずに歌っていきたい、と好奇心いっぱいに語っていた。それが詰まったのが、つまり彼女のアルバムなのだと。僕は、彼女の人生のスナップショットみたいなものなのだなと思った。

聞き慣れた曲がジーンと来たのは言うまでもないけれど、それまであまり気にとめていなかった "Ochi Chernye" が、最後まで心に残った。私のルーツであり今も深い絆で結ばれているロシアの民謡です、、とSophie が説明をしてくれたからかもしれない。

家に帰ってから、Ochi Chemye の由来について調べた。日本では『黒い瞳』として有名なロシア民謡らしい(知らなかった)。

で、前半の話に戻るのだけれど、演奏中にも食事が来たものの、ほとんどスキがなくて手をつけることもできず、公演が終わってからゆっくり食べた・・という落ちだ。早めに食事を済ませてから、Blue Note では Eau de vie などの食後酒かワインでも飲みながらゆったりと聴き入るのがいい・・と思った。あるいは早い公演なら、Blue Note でシャンパンかワインでも飲みながら聴いて、その後、余韻にひたりながら Radio にでも行けばいいのかもしれない。

ともあれ、Sophie Milman のこれからが、ますます楽しみになった夜だった。


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