SSブログ

もうひとつのリストランテ・ミストラル@コモ湖ベッラージョ [イタリア旅行記]

コモ湖・ベッラージョのリストランテ・ミストラルの「分子科学的料理」について書いたけれど、このレストランはこういう斬新なメニュー以外にアラカルトで、トラディショナルな料理も用意している。個人的には、このアラカルトの方が好きだったかもしれない・・(味覚が保守的なのかもしれないけれど)

Vietti Barolo Lazzarito 2001
Vietti の Barolo Lazzarito 2001

湖畔のレストランらしく、夕暮れ時は景色がブルーに染まる。トラディショナルな料理には、トラディショナルなワインが良く合うということで、ロンバルディア州のとなり、ピエモンテ州の銘酒バローロをこの夜のお供にした。Vietti の Barolo Lazzarito 2001。

Vietti は、家族経営のカンティーナで、出石万希子著『イタリア・ワイン・ブック』に紹介があったので、引用する。

ヴィエッティのワインはクリュごとのの個性を大切にしている。まず手掛けたのはバローロ・ロッケとバルバレスコ・マッセリアだった。1961年のことで、クリュ・ワイン生産者としては最も早い時期の一人だ。現在はドルチェやバルベーラも生産しているが扱うワインはクリュ名入りがほとんどである。ロッケはより長熟で、皮や枯れたバラの香りを持ち、気品にあふれる。ラッツァリートは花の香りに加えてベリー系の香りが豊かで、生気あふれる力強さがある。

僕の感想としては、果実味にあふれているのと同時に、ジビエやレザーなどの動物的な香りが感じられた。鉄分やミネラルが豊富で、かなり力強くしっかりしたバローロ。ソムリエのマッテオ氏にジビエが食べたい、と伝えたところ、紹介されたのがこのバローロだった。なるほど。ラッツァリートもカンヌービやロッケ、ブルナーテなどと同じ、バローロの単一畑だ。

Vietti
http://www.vietti.com/

さて、料理は、まずはストゥッツィキーノからスタート。

アミューズブッシュ
ストゥッツィキーノ

ストゥッツィキーノからして、ラ・テラッツァとは違っていて、この夜は期待が持てた。ただし明日に備えて、アペリティーヴォはがまんした。

Exif_JPEG_PICTURE                                               
アンティパスト。牛のカルパッチョとカリカリの野菜、水牛のモツァレラに砂糖漬けのトマト、アンチョビ、Taggia産オリーブを添えて

トラディショナルな料理ながらも、トマトを砂糖漬けにしていたりとアレンジがある。カルパッチョと水牛のモッツァレラの相性がよく、新鮮な素材で、フレッシュながら味わい深い。

プリモピアット。カラシナとカエルの足のフライを添えたリゾット 
プリモピアット。カエルの足のフライを添えたカラシナのリゾット

プリモピアットは、リゾットにした。カラシナ(からし菜)の葉をリゾットのソースにしている。カラシナの種子は、和がらしの原料というから意外な取り合わせ。周りに振ってあるのはピリッとしたのでカラシナの実なのかもしれない。サクサクとしたカエルの足のフライと、リゾットのしっかりした味わいのバランスがよい。ちょっとエキゾチックなリゾット。

セコンドピアット。ベルギー産エンダイブを添えた鳩を2つの調理法で、コリアンダーとハチミツ、チェリーと洋梨のソースのフォアグラ
セコンドピアット。ベルギー産エンダイブを添えた鳩を2つの調理法で、コリアンダーとハチミツ。および、チェリーと洋梨のソースのフォアグラ

絶妙の火加減と、臭みのないフレッシュな鳩とフォアグラ。「ジビエ」というイメージにピッタリの料理だが、コリアンダーやハチミツをアクセントに使っていてとても美味。ジビエ好きの我が家も大満足。もちろん、バローロとのマリアージュは最高!また、フォアグラにはチェリーと洋梨のソースが添えられていて、このフレッシュでありながらも濃厚な深い味わいが素晴らしかった。貴腐ワインと合わせたいところ。

ドルチェ
ドルチェには、小菓子を

明日のパートナーの誕生日に備えて、ドルチェは小菓子にした。それでも、タルトなど丁寧に作られている。

カフェ
食後のカフェ

ジョエル・ロブションでもそうなのだけれど、最近、斬新なモダン料理と伝統料理の2つのメニューを用意しているレストランが増えているように思う。南イタリア最高のレストラン「ドン・アルフォンソ1890」も同様だった。

伝統を守りつつも、常に新しい素材や調理にチャレンジする姿勢は、とても好ましいと感じる。できれば、両方体験していただけたらと思う。


より大きな地図で YUTAKAのイタリア地図帳 を表示
nice!(2)  コメント(3) 
共通テーマ:グルメ・料理

nice! 2

コメント 3

YUTAKA

ほりけんさま、クリックをありがとうございます。

リストランテ・ミストラルに関しては、"Molecular Cuisine" よりも
伝統料理をアレンジした、こちらの料理の方が分かりやすかったの
ですが、世界の食通たちの意見はまた違うのかもしれませんね。
by YUTAKA (2010-01-30 07:46) 

hako

伝統的なアラカルトにバローロですか、なかなかこれも贅沢です。
丁度今、BSフジでイタリア大使館の番組をやってますが、フレンチとは
伝統が違うと大使が自慢していました。納得です。
by hako (2010-01-31 21:49) 

YUTAKA

hako さん、チェック&コメントをありがとうございます。

フランス料理は、カトリーヌ・ド・メディシスがフランス王室に嫁いだ際に
連れて行ったトスカーナの料理人が始めた、と読んだことがあります。
その際に、フォークも伝わったとか。

それ以降、フランスも独自の進化を遂げているなと思うのですが、
イタリアも負けていないなと思います。それぞれに良さがありますが。

そんなわけで、イタリア1ヶ月余りで7kgも太ってしまったので、現在、
ダイエット中です(笑)
by YUTAKA (2010-01-31 22:30) 

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。