和食に合う白ワイン講座 [オープンカレッジ]
青木冨美子先生の、昭和女子大学オープンカレッジ「世界のワイン比較探求講座」の今期最終回のテーマは、「和食に合う白ワイン」だった。
第1フライト(シャブリ1級対決)
新樽をきかせたシャブリ(右)と、そうでないシャブリ(左)の1級対決。樽のきかせかたによる味わいの違いも面白かったけれど、やはりテロワールというか、左の Fourchaume と、右の Monte de Tonnerre の樽以外の味わいの差の方が、僕としては興味深かった。どちらもミネラルのかたまり!という感じなのだけれど、Monte de Tonnerre の繊細でありながら力強い味わいが印象的。
第2フライト(和食に合う世界の白ワイン)
ノーヒントの Gruner Veltriner 以外は分かったかもしれない。他の講座生もバシバシ当てていて、すごいと思った。みなさんコメントも的確で、講座の成果を感じた回だったかもしれない。
3番目の Sauvignon Blanc、つまり LUCIEN CROCHET の Sancerre に感じられたフリージアのような華やかさが印象的だった。猫の・・の香りは、実は、我が家では僕が猫のトイレ掃除担当なので、敏感に察知してしまいましたが(笑)。ただ、本当にかすかなので、余程注意深く香りを取らないと、気がつかないと思う。エレガントな S.B.。今度、AOC Menetou-Salon の白と比べてみたい。
そして6番目の Semillon、Chateau le Puy “Marie-Cecile” 2002 は、個人的にはすごかったと思う。色調が琥珀色に近いことはともかく、ヒノキや断ち切った杉の木のような香りや、熟した黄桃、フレッシュないちじく、ザクロのような香りに、紅茶やハチミツ、そしてかすかな熟成香も感じられた。酸は柔らかめでまろやかな味わいで、エレガント。以前飲んだことのある Chateau Laville Haut-Brion 1998 を若干彷彿とさせるようなところもあり、ちょっとびっくりした。ほめすぎ?ただ、余韻が短めに感じたので、その辺は価格差なのかもしれないけれど・・AOC BORDEAUX ではなくて、Vin de Table とエチケットに書いてあった。辛口の Semillon はおもしろい。
今回は和食とのマリアージュということもあり、先生お勧めの薄口醤油と、伊勢から持ち帰られたばかりの新鮮なアワビ、モッツァレラとアボカドもいただくことができた。
もちろん、どのワインとも相性は抜群。モッツァレラとアボカドの組み合わせがとても気に入ったので、家でも試してみた。
第3フライト(デザートワイン)
これは番外編の、Pedro Ximenez(PX)。甘口のシェリーといえば分かりやすいかも。まさに見た目通りに「黒蜜」が全開で、これにヴァニラアイスクリームがあったら、、、と思っていたら、さすが先生、用意してくれていました!
というわけで、全部で9種類の白ワイン&酒精強化ワインを楽しんだのだけれど、最初の写真にある量を、いつものごとく、全部飲み干したので、かなりいい具合に酔っぱらってしまった。家に帰ったら、パートナーから「酒臭ーーい」と言われたのは、秘密です。
とても慎重に選ばれ、かつ採算度外視とも思えるワインたちに、青木先生の心遣いを感じました。
最後に、2007年のビオディナミ大会でお会いした Geyerhof の Ilse Maier(イゼル・マイヤー)夫人の写真を貼って終わりにします。もちろんお隣には、お姉様で Nikolaihof の Christine Saahs(サース)夫人がいらっしゃいましたよ。
Geyerhof の Ilse Maier 夫人。2007年のビオディナミ大会にて
なお、青木先生による丁寧なレポートは、以下にあるので、参考にしてください。
“和食に合う”をテーマにした品種別講座
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2010-03-13
世界のワイン比較探求講座(世界の主要黒ぶどう品種) [オープンカレッジ]
青木冨美子先生の、昭和女子大学オープンカレッジ「世界のワイン比較探求講座」の2010年2度目のレッスンがあった。今回は、世界の赤ワイン特集。第1回目は、こちら >> 青木冨美子先生のオープンカレッジ・世界のワイン比較探求講座。
そして今回もまた、世界の黒ブドウ品種によるワインが7種類も出されました!
目隠しをされたワインボトルが、今か今かと、登場を待っている。
まず、初めての方にも分かりやすいように、国際品種だけでなく、地場品種についても概要の説明があった。それに基づいて時間をかけてブラインド・テイスティングをすることに。ただし、銘柄やブドウ品種、ヴィンテージなどについてはあらかじめリストが配られた(少しだけホッ)。
とはいえ、世界は広い。僕は普段フランスばかり飲んでいるけれど、今回は、イタリアもスペインもカリフォルニアもある。でも、一度にこんなに色々な種類の赤ワインを比較する機会は、そうそうないので、楽しもうと思った。なにより、美味しいワインしか出ないのだから。
例によって、赤ワインたちがずらりと並ぶ。今日は、酔いそう(笑)。というか、かなり多めに注いでいますね。すみません。なにより、美味しいワインしか・・(以下略)
今回はほとんどのワインのヴィンテージが2006だったので、「世界の水平」と言えるかもしれない。
さて、特に赤ワインは色の特徴が分かりやすいので、写真を並べてみた。RICOH CX1 の蛍光灯のホワイトバランスの色でその後の色調調整などは行っていない。でも、hako さんの記事の方が分かりやすいので、そちらも見てください。>> Hako’s KB 講座第2回
左上から順番に、①、②、、、と右下が⑥、そして次が⑦。紫色が強く濃いのは、③と④かな。①と⑦も紫色というほどでもないけれど、濃い。②はオレンジ色がかっていて明るい色調。⑤と⑥は明るめのガーネット。同じヴィンテージでも、こうも違うのか、と思った。
とにかく、テイスティングノートに必死にびっしり書き込みをした。下手くそな字です。
個人的に好きだったのは、この1つ前の記事でも書いた ⑤ Castello di Ama の Chianti Classico 2006 と、⑦ Calon Segur 2006。やっぱり、ワイナリーに行くと思い入れが生まれます。>> キャンティの銘醸カステッロ・ディ・アマ(Castello di Ama)を訪問。そして、⑦ のハートのマークの Calon Segur 2006 は青木先生から男性講座生へのバレンタインプレゼント(の気持ち)!ラッキー♪先生、ありがとうございました。合わせる抹茶味のクッキーも美味しかったです。
で、とても意外だったのは ③ の Moulin-A-Vent 2005 で、これが Gamay 種とはとても分からなかった。かなり力強い赤で、黒い果実味が凝縮しており、ビロードのようなタンニンがある・・・色も紫色がかっておりとても濃い。てっきり、これがスペインの Tempranillo 種だと思った。ブルゴーニュの名手 LOUIS JADOT が作る CHATEAU DES JACQUES 2005。Moulin-A-Vent は、もともと力強い傾向があるけれど、これほどまでとは。Gamay に対するイメージが変わりました。
続いて、今回もコーケン香料さんのワイナロマで香りのレッスン。
テーマは、ボルドーでした。つまり、カベルネソーヴィニヨンに感じるスパイシィさやヴェジタルな香り。1度でピタリと当てた講座生もいて、びっくり。
というわけで、右から①、②、③、、、、⑦の順に並んでいます。
相変わらず、ぜいたくなテイスティングでした。
今晩は、おみやげにもらった Castello di Ama の Chianti Classico 2006 の残りをいただくことにします♪
青木冨美子先生のblogの100万ヒット達成を予測(2) [オープンカレッジ]
前回、青木先生のblogのアクセス数のグラフを描きながらも、最終的には、100万ヒットの予想日を Excel の TREND 関数と FORECAST 関数で決めてしまった。けれど、グラフにプロットしてみると、どうも違和感がある。
あまり使わない関数なので調べてみたら、線形近似とのこと。グラフは2次の多項式近似だったので、誤差が生まれていたことに気がついた。もちろん、こういうユーザが増えていく状況では、リニアに伸びていくというよりは、上昇カーブを描くのが普通なので、線形近似ではダメだ。
公開されている2009年から今までの記録を元に、再度、プロットし直してみた。
青木先生の、「青木冨美子の公式blog」 のアクセス推移と多項式近似曲線
今度は、間違いがなさそう。近似式は y = 0.2873x² - 22151x + 4E+08 になった。相関係数は R² = 0.9999 で、かなりの精度となった(前回は、0.9998だった)。本当は Solver を使うべきなのだけれど、もう何年も使っていなくて忘れてしまったので、多項式近似にした(結果は似たようなものだと思う)。
予測では、5/12~5/24の間に相関係数が 0.9999 になっているので、この期間ならどれにも当たる確率があるのではないだろうか。偉大なローラン・ペリエのシャンパンが。もちろん、もっと早まる可能性も大なのだけれど。
ということで、前回の、5/30 は撤回して、
2010/05/18
に上方修正したいと思います。青木先生、よろしくお願いします!
青木冨美子先生のblogの100万ヒット達成日を予測する [オープンカレッジ]
先日、いつもお世話になっている青木先生の「青木冨美子の公式blog」が88万ヒットを記録したばかりだけれど、先生が blog で公開しているアクセス数のデータをグラフにプロットして、100万ヒットを達成する日を予測してみた。当たったら賞品はシャンパンらしいので、やる気がでます(笑)。
得意の Excel に、日付とアクセス数を打ち込んでグラフにプロットし、それを多項式近似曲線(2次)でつないでみた。その結果が、次の通り。クリックすると、グラフを拡大できます。
2006/01/02 に blog をはじめられたのだけれど、そこを 0 とし、その後 blog で言及されていたデータを打ち込んでみた。
近似の2次多項式は y= 0.2198x^2 – 16744x + 3E+8 だ。Excel が勝手に計算してくれるので、僕はたいしたことをやっていない。
で、交点を求めようと思ったのだけれど、過去のデータは当てにならない場合が多いので、2009 年と今年公開されたアクセス数を元に、TREND 関数と FORECAST 関数を使って、予測を出してみた。どちらも同じ日を予測していた。
その結果、ジャジャーン
2010/05/30
ということが、分かった!
果たして、美味しいシャンパンにありつけるのか!?それは、開けてみてのお楽しみです。
P.S. 拙blogも、先日8万ヒットを記録しました。100nice!も、今日、達成できました。記念すべき 100nice! は、artfuldodger さんでした。ありがとうございます。これからも細々とやっていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
青木冨美子先生のオープンカレッジ・世界のワイン比較探求講座 [オープンカレッジ]
これは世界のワイン比較探求講座。ワインを鍵として世界を旅することのできる、楽しくも勉強になる2時間。月に一度、参加している。もう一つ、オーダーメイドのシャンパン編もある。
もう4年になるのに、始まる前のこの瞬間が一番緊張したりするのです。適度な緊張感とワクワク。
まず、プロジェクターを使って、ヨーロッパの地質学を。約一億年前の中生代のジュラ紀そして白亜紀の土壌が、チョークと呼ばれる石灰質で、年代は違うけれどこれらが似た性質を持つという説明から始まる。それらの地質が、ヨーロッパのどの地域に分布しているのかについて、地図をもとに。参考とした資料は、『ブドウ畑の自然環境』というテロワールについて解説した武田弘先生の CD-R 。これは僕も持っているのだけれど、とても勉強になります。ソムリエ協会で購入できる模様。詳しくは、2007年の青木先生の記事にありました。
シャブリ地方のキメリジャン土壌とシャンパーニュ地方の白亜質土壌
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2007-06-27
イギリス南部がシャンパーニュに近い地質であり、近年の気候から考えても、良質なスパークリングワインが生まれる可能性があるとのこと。ワインは、奥が深い。
今回はスパークリングワイン特集なので、シャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3種類のブドウについて味わいの違いの説明があった。
それらをベースに、あらかじめスパークリングワインの素性(銘柄や国名、セパージュ)を明かされた状態で、7種類のブラインドテイスティングが始まった。
壮観な眺め。一度にこれだけの世界のスパークリングワイン(フランス、オーストリア、スペイン、アメリカ、オーストラリア、イギリス)を比較試飲し学ぶ機会はなかなかない。ぜいたくです。今日ばかりは、飲み過ぎてもいいかも。
銘柄によって、色のトーンがかなり違っていることに気がつく。
以下、種明かしをした上で、僕の個人的なテイスティングノートを書きます。ただし、これはあくまでも個人的なノートであり、先生や教室の総意ではないことにご注意を!写真の左から、#1, #2,,,#7 と並んでいます。
#1 Chandon Green Point Vintage Brut 2005 (オーストラリア)
緑色がかった明るい黄色。気泡が大粒だが旺盛。粘性中程度。ライムなどはつらつとした爽やかな香りと、ミネラルのニュアンス、いぶした香ばしい香り、藁の香り。若々しく酸がしっかりしており、塩味を感じる。ヤラヴァレーが海に近いからだろうか?(後からの推測)余韻中程度。モエ・エ・シャンドンがオーストラリアで展開するスパークリングワイン。
#2 Quartet Anderson Valley Brut / Roederer Estate (アメリカ・カリフォルニア州)
明るめの黄色で、きめ細かな気泡が永続的。粘性は弱め。グレープフルーツなどの豊かなかんきつ系果実の香りと、花の華やかな香り。ビャクダンやハーブもある。ゴージャスな印象。柔らかいアタックに酸がしっかり目。ミネラルのニュアンス。少し甘みと苦みを感じる。余韻は長め。講座で1番人気だった。エノテカで 2,800 円(税別)とのこと。ルイ・ロデレールのブリュット・プルミエとはまたちょっと違うと感じたけれど、C.P. からすれば良いと思う。今度、買ってみよう。
#3 Cremant de Bourgogne / Les Vignerons de Haute Bourgogne (フランス)
濃いめの黄色できめ細かな気泡が豊か。粘性中程度。レモン、ライム、グレープフルーツなどのかんきつ系の香り。カリン。ミネラルのニュアンス。イースト。若々しいアタックに酸しっかり、ミネラル豊か。余韻長め。キメリジャン土壌に由来するミネラルではなかったかと思われる(後からの推測)。3番人気。
#4 Champagne Jacquesson Cuvee 733 (フランス)
少し褐色がかったムギワラ色。きめ細かな気泡。粘性中程度。ライチやかんきつ類の果実の香り。蜂蜜やヴァニラの甘い香り。木樽のニュアンス。香ばしく、イーストの香り。柔らかいアタックに酸がしっかり。ミネラルがしっかりしている。蜂蜜のような甘みを感じる。旨み。余韻は長め。これが Jacquesson とは思わなかったけれど、余韻の長さや旨みで選んだ。ただし、温度があがってからは少しつらいかも?
#5 Nyetimber Classic Blend Brut 2001 (イギリス)
濃い黄色、熟成感がある。きめ細やかな気泡が多く永続的。粘性は弱め。重厚感のある、白桃などの果実味が豊か。ミネラルのニュアンス。複雑。若々しいアタックと酸がしっかり。ミネラル。梅っぽい感じ。余韻は中程度。僕は、これが Jacquesson と思いました。2番人気。イギリスおそるべし(以前、講座に出たときも人気だった記憶が)。
#6 Raventos i Blanc 2007 (スペイン)
緑色がかった薄い黄色。気泡はきめ細かい。粘性中程度。ゴムやオイルのような香り?ナッツや焦がしたバターの香り。リンゴや、レモン・かんきつ系の香り。若々しいアタックに酸がしっかり。余韻は中程度。カヴァは色が浅いことが多いことを学んだ。冷やして飲むと良いとのこと。
#7 Brundlmayer Brut 2005 (オーストリア)
濃い黄色で気泡がきめ細かく豊かで永続的。粘性は強め。レモンやライム、グレープフルーツなどのさわやかなかんきつ類。ライチ、白コショウ、蜂蜜、白桃。果実味が豊かでエレガントかつ複雑さがある。柔らかいアタックと酸がしっかり目。ミネラルのニュアンス。少しの甘み。骨格がしっかりしている印象。余韻は長め。エレガントで、もし #4 に手をあげなかったら、これを選んでいました。
こんな感じだけれど、和気藹々と講座は進んでいったのでした。hako さんのコメントもナイスでした。
続いて、香りの勉強。嗅覚を鍛えて、老化を防止しなくては!
コーケン香料のワイナロマを使って、2種類の比較試嗅(!?)。初めての体験。
こんな感じで、長細い紙の先端に香りをつけて、ブラインドでコメントを。先生によればV字型に持ち、紙を持つ長さを変えて同時に比較するのがよいとのこと。1つはレモン、もうひとつはヘーゼルナッツでした。講座生のコメントも的確で、さすがだと感じた。
本日のスパークリングワインが勢揃い。
2時間とは思えない、とても内容の濃い楽しい講義でした。青木先生、ありがとうございました!
今回の講座の青木先生のオフィシャルな記事が、以下の URL にあります。
http://non-solo-vino.blog.so-net.ne.jp/2010-01-21
また、hako さんも以下の楽しい記事を書かれていました。
http://t-hako.blog.so-net.ne.jp/2010-01-21