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Master of Wine, Jancis Robinson 女史 来日 [ワイン]

今日、世界のワインの最高権威 Masters of Wine (MW)の1人の、Jancis Robinson(ジャンシス・ロビンソン)女史が銀座のアルジェントASOにやってくる。

思えば、僕がワインを勉強しようと思ったきっかけは、1995 年にイギリス BBC 放送で放映された “Jancis Robinson’s WINE COURSE” というシリーズの番組だった。これをアナログCS放送で視聴し、ワインの楽しさと奥深さ、科学、人間、自然、そしてとても感性を必要とするインテリジェントなものなのだと感じ、深く感動をした。それ以来、彼女のファンであり、彼女の出す本は原書・翻訳を問わず持っているけれど(絶版で入手困難な『私のワイン人生』を含めて)、実際にお目にかかるのは初めて。今回は、世界のワイン動向と甲州ワインをテーマに話をしてくれるらしい。

学生時代、ボーイフレンドとのディナーで、Chambolle-Musigny Les Amoureuses 1er Cru 1959(恋人達)を飲んで、ワインにはまったと言っていた Oxford の才媛 Jancis Robinson 女史。さて、どんな人なのだろうか。とても、楽しみだ。

実際の感想(熱心なファンとして!)は、右記の記事で改めて書きます。>> Jancis Robinson(ジャンシス・ロビンソン)女史来日!

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上質な大人のフレンチレストラン 広尾 ア・ニュ [グルメ]

ジョージアン・クラブ時代からお世話になっている島本永秀ソムリエからオープンの招待状をいただきつつ、なかなか行けなかった広尾の「ア・ニュ」に、幸運なことに連れて行っていただけることになった。

あの代官山ル・ジュー・ドゥ・ラシェットをミシュラン星付きレストランに盛り上げた下野昌平シェフと、島本ソムリエの新店ともなれば、行かないわけにはいかない。ワインのラインナップも含めて、とても期待をして行った。

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à nu, retrouvez-vous とは、「ありのまま」「ここで再会しましょう」という意味。

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店内は天井が高く、ゆったりとしていてくつろげる。とてもシックな大人の空間。

サーヴィスもフレンドリーでありながらも、つかずはなれずで、気配りを感じる。

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テーブルセットは独特。これには仕掛けが。

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右上のお皿の穴に注目。下にはお店のロゴがさりげなく。

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このように好きなように、アミューズブッシュを穴にはめこむ趣向。

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グラスシャンパンは、ラマリエールかアンリ・ジロー。

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繊細で美しいグラスのシャンパンからスタート。

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ワインリストには注目!1980~1990年代を含めて飲み頃のワインがとても安く提供されている。また、ハーフボトルのワインも充実しているのが特徴だ。短期間に、よくここまで揃えられたなと思う。

しかもワインショップよりも安い値付けの高級ワインが多く見受けられ、とても驚いた。正直、ここに来れば上質なワインがリーズナブルにいつでも飲めるのだから、もう「BYO」なんて考え方が必要がないと思ったほどだ。

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ホイップバター。左が有塩、右が無塩。真ん中にはお店のロゴ。

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トマトの比較。

この日のコースは、”Menu de comparaison” ムニュー ドゥ コンパレゾンを選んだ。1つの食材を、2通りの調理方法で比較しながら楽しんでもらおうという、新しい試み。今や、ア・ニュの定番となりつつあるそうだ。

まずトマトの比較では、「塩トマトのエピスヴィネガーマリネ イチゴの泡と共に」(左)と「炙った山口県萩産の鰆 塩トマトのジュレ キウイヴィネグレット」(右)を食べ比べる。(左)はイチゴの甘みと真空調理によるトマトの酸味や甘みがアクセントとなっていて爽やか。(右)は、鰆にトマトのジュレがコーティングしてあり、とても手の込んだ絶妙のハーモニーを奏でている。とにかく、鰆が絶品だった。

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グラスの白は、2004 AUXEY-DURESSES Fabien Coche-Bouillot。

島本ソムリエと相談をしたのだけれど、メインのボトルを赤にするのであれば、このトマトのコンパレゾンだけはグラスの白が良いとのこと。お勧めはキリリとしたアルザスのリースリングか、このブルゴーニュのミネラルが豊かなオークセイ・デュレス。後者を選んだ。白桃やハチミツのような香りとともに、酸とミネラルがしっかりしていて、なかなか美味しい。

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スマートな島本ソムリエが、1986 年のブルゴーニュをパニエで抜栓。

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1986 Vosne-Romanee Les Reignots 1er Cru Pernin Rossin

このワインを選んだとき、島本ソムリエは「渋い選択ですね」とにこやかに言ってくれた。

ペルナン・ロッサンは、ヴォーヌ・ロマネに本拠を持ち、早くから減農薬栽培に力を入れていた作り手だ。フランス国内を含め多くのファンを持ち、ルロワも認めていてメゾンでは採用もされていた。一部では、「カルトブルゴーニュ」とも言われる。しかし残念なことに1998年に生産を終了、現在はドメーヌ・ペロミノが畑やカーヴを所有している。なので、幻のワインと言えるかもしれない。

Vosne-Romanee Les Reignots 1er Cru の畑は Romanee-Conti の畑の西50mにあり特級 La Romanee の畑に隣接する。地続きとなる下層土が特徴的なミネラルを含むことで、しっかりした骨格と、長い余韻をもたらすという。

1986 は、フチがオレンジ色がかった明るいガーネット色で、華やかなバラのような香り、赤いベリー系の果実味と、森の下草やシャンピニオンの熟成した香り、土の香りが渾然一体となった、ちょうど飲み頃のヴィンテージだった。グッドチョイスだ!

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グラスはロブマイヤー。

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この軽やかなグラスで、とてもぜいたくに、ワインを楽しませてもらえる。

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タラの比較。白子のクロケット(左)と、ア・ニュのブランダード(右)

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キジと栗のヴルーテ。

ジビエのキジを、骨まで余すところ無く使った濃厚な逸品。これは美味しい。

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鴨の比較。

「マダムビュルゴーのシャラン鴨胸肉のロティ 白と赤のソース」(左)と、「コンフィしたもも肉のカスレ」(右)。厚めにカットされ低温調理によるとてもジューシィで絶妙な鴨と、しっかりした味付けのコンフィが対照的。カスレのココットは、STAUB を使っていた。

特に鴨好きの僕としては、皮はカリっとしていて、中がとてもジューシィで噛むほどに旨みにあふれ、ソースやビーツとの相性もよい「マダムビュルゴーのシャラン鴨胸肉のロティ 白と赤のソース」がとても美味しくて気に入った。

熟成したヴォーヌ・ロマネのワインとも、とてもよい相性。

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フロマージュは、モンドールとエポワスをセレクト。

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アンリ・ジローのフランソワ・エマール。

島本ソムリエから、しっかりしたお料理が続いたので、ここでアンリ・ジローのシャンパンでキュッと締めてください、との心配りが。その気遣いが、とても嬉しい。

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壁には色々な絵が飾ってある。「ワイン」、「風」、「人生」。

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苺の比較。

バニラアイスと温かい苺のエクラゼ(左)と、苺のトラップ(右)。

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五郎島金時とショコラのパフェ。

メインのデザートは、パフェ。加賀の伝統野菜である五郎島金時(サツマイモ)の上品な甘さが和のテイストを感じさせる。また、アクセントのラム酒がよい。

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グァテマラのダブルエスプレッソ。

その後ハーブティーも出していただき、話もはずみ、気がついたら時計は午前0時に!6時間におよぶディナーが終わったのでした。

帰りは、下野シェフと島本ソムリエにドアまで送っていただいて、お店を後にした。

創造性のある美食と、上質な空間、心地よいサーヴィス、素晴らしいワインのラインナップ。名店の誕生を喜ぶとともに、今後のさらなる進化も期待できる。また近々、再訪したいと思う。


ア・ニュ スライドショー


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RICOH CX3 実写レビューを PHOTO に書きました [カメラ]

リコーさんのご厚意で、発売前のデジタルカメラ RICOH CX3 を借りることができて、そのレビューを DAYS of PHOTO and ROSES の方に書きました。リコーのNさん、Tさん、ありがとうございました。

RICOH CX3 実写レビュー(はじめに)
http://photo-and-roses.blog.so-net.ne.jp/2010-02-15

RICOH CX3 実写レビュー(晴天下)
http://photo-and-roses.blog.so-net.ne.jp/2010-02-15-1

RICOH CX3 実写レビュー(昼間のレストラン)
http://photo-and-roses.blog.so-net.ne.jp/2010-02-15-2

RICOH CX3 実写レビュー(曇天下)
http://photo-and-roses.blog.so-net.ne.jp/2010-02-15-3

RICOH CX3 実写レビュー(銀座のワインショップにて)
http://photo-and-roses.blog.so-net.ne.jp/2010-02-15-4

RICOH CX3 実写レビュー(夜のベルギービールパブと夜景)
http://photo-and-roses.blog.so-net.ne.jp/2010-02-15-5

RICOH CX3 実写レビュー(Flickrスライドショーと実データ)
http://photo-and-roses.blog.so-net.ne.jp/2010-02-16

2/19に発売される RICOH CX3 には売りの機能がたくさんあるけれど、裏面照射型CMOSや新型ノイズリダクションなど、暗いシーンでも綺麗に撮れるようになったことに既存ユーザの注目が集まっているように思う。実際、僕のブログ(ここと PHOTO)にも、CX3 をキーワードに見に来てくれている人がたくさんいるので、その期待の大きさを肌で感じている。では、実際にはどうなのか。

撮影を行ったのは、昨日のバレンタインデー。この日を狙ったのは、ここのところ雨や雪が多くて、なかなか撮影条件が整わなかったからだ。幸いなことに、お昼近くは晴れてくれた。

今回は、銀座界隈だけでは面白くないので、水上バスを使ってお台場に行き、また銀座に戻ってきて知り合いのワインショップ Y’S WINE GALLERY に寄ったり、ベルギービールパブで暗所撮影に挑戦したり、あるいはタクシーで埠頭へ行きレインボーブリッジの夜景を撮影に行ったりと、丸一日のちょっとした撮影旅行を楽しんだ。

パートナーには、申し訳ないと思いつつも、寛大な心に感謝。

いつもは Photoshop で色調調整などをつい行ってしまうのだけれど、実写レビューとあるように、RICOH CX3 の生の実力を知ってもらうために、今回はサイズ変更以外は行っていない。トリミングもしていない。また、Flickr には、原寸(10M Fine)の写真を 200 枚ほど掲載することにした。

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もし、RICOH のカメラに興味のある方、あるいは一眼レフはハードルが高いけれど、自分の思うように写真が撮れるカメラが欲しい方がいらっしゃったら、ぜひ、2/19 に発売される RICOH CX3 を検討してみてほしい。

僕は、昔、ユーノス・ロードスターという車に乗っていた。これは「人馬一体」というコンセプトの元、運転者の体の一部のように車が追従してくれる名車だった。決して、フェラーリやポルシェにかなうわけはない。いや、普通のスポーツカーにも負けるかもしれない。値段だって安かった。でも、自分の思いのままに運転する楽しみを教えてくれたのは、このユーノス・ロードスターだった。

RICOH CX1 と出会って、僕は、この真っ赤なユーノス・ロードスターのことを思い出したのです。


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世界のワイン比較探求講座(世界の主要黒ぶどう品種) [オープンカレッジ]

青木冨美子先生の、昭和女子大学オープンカレッジ「世界のワイン比較探求講座」の2010年2度目のレッスンがあった。今回は、世界の赤ワイン特集。第1回目は、こちら >> 青木冨美子先生のオープンカレッジ・世界のワイン比較探求講座

そして今回もまた、世界の黒ブドウ品種によるワインが7種類も出されました!

準備中の赤ワインたち

目隠しをされたワインボトルが、今か今かと、登場を待っている。

まず、初めての方にも分かりやすいように、国際品種だけでなく、地場品種についても概要の説明があった。それに基づいて時間をかけてブラインド・テイスティングをすることに。ただし、銘柄やブドウ品種、ヴィンテージなどについてはあらかじめリストが配られた(少しだけホッ)。

とはいえ、世界は広い。僕は普段フランスばかり飲んでいるけれど、今回は、イタリアもスペインもカリフォルニアもある。でも、一度にこんなに色々な種類の赤ワインを比較する機会は、そうそうないので、楽しもうと思った。なにより、美味しいワインしか出ないのだから。

 注がれた赤ワイン達

例によって、赤ワインたちがずらりと並ぶ。今日は、酔いそう(笑)。というか、かなり多めに注いでいますね。すみません。なにより、美味しいワインしか・・(以下略)

今回はほとんどのワインのヴィンテージが2006だったので、「世界の水平」と言えるかもしれない。

さて、特に赤ワインは色の特徴が分かりやすいので、写真を並べてみた。RICOH CX1 の蛍光灯のホワイトバランスの色でその後の色調調整などは行っていない。でも、hako さんの記事の方が分かりやすいので、そちらも見てください。>> Hako’s KB 講座第2回

Syrah (Crozes-Hermitage)Pinot Noir (Gevrey-Chambertin)Gamay (Moulin-A-Vent)
Tempranillo (Ribera del Duero)Sangiovese (Chianti Classico)Zinfandel (SAUZAL)
CS & MR (Calon Segur)

左上から順番に、①、②、、、と右下が⑥、そして次が⑦。紫色が強く濃いのは、③と④かな。①と⑦も紫色というほどでもないけれど、濃い。②はオレンジ色がかっていて明るい色調。⑤と⑥は明るめのガーネット。同じヴィンテージでも、こうも違うのか、と思った。

テイスティングノートはびっしり

とにかく、テイスティングノートに必死にびっしり書き込みをした。下手くそな字です。

個人的に好きだったのは、この1つ前の記事でも書いた ⑤ Castello di Ama の Chianti Classico 2006 と、⑦ Calon Segur 2006。やっぱり、ワイナリーに行くと思い入れが生まれます。>> キャンティの銘醸カステッロ・ディ・アマ(Castello di Ama)を訪問。そして、⑦ のハートのマークの Calon Segur 2006 は青木先生から男性講座生へのバレンタインプレゼント(の気持ち)!ラッキー♪先生、ありがとうございました。合わせる抹茶味のクッキーも美味しかったです。

で、とても意外だったのは ③ の Moulin-A-Vent 2005 で、これが Gamay 種とはとても分からなかった。かなり力強い赤で、黒い果実味が凝縮しており、ビロードのようなタンニンがある・・・色も紫色がかっておりとても濃い。てっきり、これがスペインの Tempranillo 種だと思った。ブルゴーニュの名手 LOUIS JADOT が作る CHATEAU DES JACQUES 2005。Moulin-A-Vent は、もともと力強い傾向があるけれど、これほどまでとは。Gamay に対するイメージが変わりました。

続いて、今回もコーケン香料さんのワイナロマで香りのレッスン。

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テーマは、ボルドーでした。つまり、カベルネソーヴィニヨンに感じるスパイシィさやヴェジタルな香り。1度でピタリと当てた講座生もいて、びっくり。

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というわけで、右から①、②、③、、、、⑦の順に並んでいます。

相変わらず、ぜいたくなテイスティングでした。

今晩は、おみやげにもらった Castello di Ama の Chianti Classico 2006 の残りをいただくことにします♪


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キャンティの銘醸カステッロ・ディ・アマ(Castello di Ama)を訪問 [イタリア旅行記]

トスカーナのドライブほど楽しいものはないと、運転好きのパートナーがつぶやいた。この日は、キャンティ地方をドライブした。目的地は、テッラビアンンカ(Terrabianca)、そしてカステッロ・ディ・アマ(Castello di Ama)の2つのワイナリー。

Villa Scacciapensieri
宿泊した Villa Scacciapensieri

僕たちは、キャンティ、モンタルチーノ、モンテプルチアーノ、サンジミニャーノ、ボルゲリといったトスカーナの銘醸地をドライブするのに便利なように、シエナ郊外にある Villa Scacciapensieri へ宿泊をした。このホテルは、本当に素晴らしいのだけれど、それについては改めて。

 シエナの風景

ホテルの窓からのトスカーナの風景。この日も、快晴だった。

VOLVO S80 2.4D Kinetic VOLVO S80 のインパネ

VOLVO S80 2.4D Kinetic が、トスカーナドライブのお供。コモ湖をめぐった V70 よりもグレードを上げた。ラグジュアリーでありながらも、スポーツカーの S80。260km/h では走らないけれど。

さて、いざトスカーナへ出発!

トスカーナをドライブ

道路の両端には、一面ブドウ畑が広がる。空のブルーとブドウのグリーンが、ゆるやかなカーブでつながっている。

CHIANTI への道しるべ

シエナからキャンティは、割とすぐだ。今回の目的地である Castello di Ama は、Gaiole in Chianti 村にある。あらかじめ、ナビのGARMIN(ガーミン) に地点を登録しておいてから向かった。なので、安心だし楽ちんだ。

キャンティの農道を走る

ワイナリー(カンティーナ)は、普通、農園の中にあるので、最終的にはこのような農道を走ることになる。GARMIN がなければ、迷うところ。この先に、目的のカステッロ・ディ・アマが・・

カステッロ・ディ・アマ

カステッロ・ディ・アマは、高台の上にあってとても巨大だった。たくさんの建物があり、どこがメインオフィスか分からないくらい。

サンジョヴェーゼ

近くの畑では、サンジョヴェーゼが綺麗に完熟していた。

 カステッロ・ディ・アマのスタッフ

今日の参加者はドイツ人夫妻と我が家の4名。暖かく迎えてくれた。丁寧な説明とともに、2時間のワイナリーツアーのはじまり。

ちょうど収穫されたブドウの搬入が

ちょうど収穫されたブドウを搬入しているところだった。ブドウがつぶれないように、小さなケースに分けて運搬をしている。

選果台の作業

隣では、すぐに選果台でブドウの選別作業がはじまる。この作業自体で、ワインの味が変わるから大切な仕事だ。腐敗した果実や葉っぱ、未熟な果実などを選り分ける。

ステンレス発酵槽

最初の発酵を行うステンレス発酵槽。かなり巨大。何かの工場のようだ。

ステンレス発酵槽の温度管理

各タンクはコンピュータにより温度管理がなされている。発酵時の温度管理はとても重要だ。カステッロ・ディ・アマのキャンティ・クラシコは、この時点では 22~23度前後で管理されていた。(最終的には、33度前後になったようだ)

カーヴにあるバリック

最初の発酵が終わったら、バリック(木樽)で熟成される。このワイナリーには、後でも登場するけれど、かなりの数のバリックがある。

ガラスのアート

カーヴの中で、ワイングラスをモチーフにしたアート作品のシャンデリアが。1年に1人の芸術家を招いて、数週間から数ヶ月アマに滞在してもらい、その体験をもとに作品を作ってもらっているとのこと。なので、アマの各所にはアート作品があふれている。さながら美術館だ。

カーヴにあるバリック

より上級キュヴェのベッラヴィスタやカズッチャのバリックたち。

さて、ここで再び地上に出る。トスカーナの太陽のもとへ。

 オリーブの畑

アマではオリーブオイルも生産しているので、ところどころでオリーブの木を見かける。

敷地内にある教会

カソリックの国らしく、ワイナリー内に2つの教会があった。

キャンティ・クラシコの畑の眺め

キャンティのブドウ園の眺め。サンジョヴェーゼやカナイオーロ、マルヴァジーア、そしてメルローなどもある。このキャンティ・クラシコの地質の特長は、ガレストロ(Galestro)と呼ばれる、堆積土壌で石灰質を多く含んだ石や岩、そして粘土壌だという。この石と粘土が混在して、よい畑が生まれるのだという。それがワインのミネラル感につながっていくらしい。確かに、いたるところ石がゴロゴロしていた。

ラッパリータのバリック

最上級キュヴェとも言える、ラッパリータ(L’APPARITA)のカーヴ。どのカーヴも、清潔で慎重に管理されている。ラッパリータは、ポムロールから持ってきたメルローで作られているらしい。とても高い評価のワインで、スーパータスカンのひとつだ。僕もエノテカでテイスティングをしたことがある。

REVOLUTION!

アーティストが作った作品がカーヴにもある。これは REVOLUTION を逆さまにしたネオン。ひんやりとした石壁とバリックに、真っ赤な REVOLUTION が光る。ラッパリータは、このようなところで熟成がされる。

敷地内は広い

敷地内はとても広く、歩いても歩いても、色々な施設がある。

これも芸術作品

これも芸術家の作品。本来1つであるはずの世界が、色々な壁で分断されてしまっている。でも、自然(ブドウ)に壁はない。

鏡の向こうに畑が見える

鏡の向こうに、キャンティのブドウ園が見える芸術作品。

さて、メインビルディングへ。

 メインビルディング 

美術館のように歩き回って、ようやくテイスティングタイム!

テイスティング開始前の説明

CASTELLO DI AMA CHIANTI CLASSICO 2006。これは、栽培家でありエノロゴ(醸造家)の Marco Pallanti (マルコ・パランティ)氏の在任25周年に作られた特別な1本。ボトルには “AMA 25” と彫り込まれ、エチケットにも “Grazie Marco...” とメッセージが書き添えられている。キャップシールも特別にシルバーだ。

かつてキャンティが安くて早飲みのワインと言われていた時代に、マルコ・パランティ氏は、「熟成するキャンティ・クラシコを作る」という目標を立てた。そのためブルゴーニュと同じように、畑をクリュと呼ばれる区分に分け、それぞれに最適な方法で栽培と醸造を行い、また収量制限も行って「スッパイ」という汚名を挽回させようとしたという。

この努力によって、サンジョヴェーゼが本来持っているしっかりした果実味とタンニンが生まれ、キャンティ・クラシコの品質は格段に向上した。これは大いに他の生産者も刺激して、キャンティ・クラシコの評判を高めることになったという。

ところがパランティ氏は、クリュごとに発売をしていたキャンティ・クラシコを、再びブレンドすることにした。ブドウの樹が古木になり品質があがってきていることと、ブレンドすることで常に安定した最上のワインを作る考え方に転換をしたというのが理由。それが今の「カステッロ・ディ・アマ キャンティ・クラシコ」。ちょっと、アンジェロ・ガイヤ氏のバルバレスコのエピソードを思い出す。

しかし現在でも、ブドウの出来の良い年には、Vigneto Bellavista(ベッラヴィスタ)と Vigneto La Casuccia(カズッチャ)のクリュのキャンティ・クラシコが作られることがある。

その功績を認められて、パランティ氏は現在、キャンティ・クラシコ協会の会長も務めているそうだ。

詳しくは、こちらに記事がある。

Marco Pallanti’s “Silver Anniversary” with Castello di Ama
http://www.castellodiama.com/english/pressrelease.php?id=359

CASTELLO DI AMA 2006

パランティ氏のカステッロ・ディ・アマのワインは、とても骨格のしっかりしたキャンティ・クラシコ。実は、昨日の青木冨美子先生のオープンカレッジでも、このワインが登場してびっくりした。

でも、チャーミングな果実味と味わいの深みとバランスの良さ、サンジョヴェーゼらしい飲みやすさと酸とタンニンによる構造のしっかりした所、ミネラル、品の良さなど、このワインは一発で分かった。ただセパージュは、サンジョヴェーゼ以外に、メルロやカナイオーロ、マルヴァジア・ネーラが混醸されているのかもしれない(以下のテクニカルノート参照)。

Castello di Ama 2006
http://www.castellodiama.com/english/castellodiama.php?anno=2006

「キャンティはスッパイ」という先入観を持っているあなた。ぜひ、このカステッロ・ディ・アマを試してみてほしい。お金の余裕のある方は、「カズッチャ」や「ラッパリータ」も!エノテカで売っています。

Grazie Marco 
CHIANTI CLASSICO 2006 の Grazie Marco

 


Castello di Ama スライドショー

 


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